こんにちは、行政書士事務所ライフ法務プランニングの大場です。
前回は下請け・内職中心の構造から脱却(主導権を取り戻す)という話をしました。
前回のブログはコチラ⇒<生産活動悩み相談>②下請け・内職中心の構造から脱却(主導権を取り戻す)
今日は、もう一段踏み込みます。
結論から言います。
工賃は、“頑張り”では上がりません。
構造を変えたときにだけ、上がります。
では何を変えるのか?
今日は3つの視点をお伝えします。
① 「単価」ではなく「粗利」を見る
よくある会話
「この作業、単価が低いんですよね…」
でも本当に見るべきは、単価ではなく“粗利”です。
例えば:
作業単価100円
材料費20円
実質利益80円
一方、
作業単価300円
材料費220円
実質利益80円
どちらも同じ。
数字を見ないと、“高く見える”仕事に振り回されます。
<工賃が上がらない事業所の共通点>
・売上は見ている
・でも原価は曖昧
・ロスは感覚
・時間コストは未計算
これでは、努力が利益に変わりません。
福祉だからこそ、「やさしいどんぶり勘定」から卒業する必要があります。
② 「量」ではなく「価値」を上げる
内職構造は、「もっと数をこなそう」という発想になります。
でもこれは限界があります。
利用者さんの体力には限界がある。
職員の余力にも限界がある。
だから視点を変えます。
量を増やすのではなく、価値を増やす。
例えば:
・パッケージを変える
・セット商品にする
・ストーリーをつける
・名入れ対応をする
・地域ブランドと組む
同じ作業でも、売値は変わります。
ここに“設計の力”があります。
③ 「作業」ではなく「商品」を持つ
これが最大の分岐点。
下請けは「作業」です。
脱却は「商品」です。
違いは何か?
✔ 価格を決められる
✔ 利益率を設計できる
✔ ブランドが積み上がる
一発逆転は不要です。
小さくてもいいです。
ひとつでいいです。
“自分たちの商品”を持つ、ここから構造が変わってきます。
ちょっと現実的な話
工賃を本気で上げたいなら、
・今の平均工賃
・目標工賃
・必要粗利
・必要販売数
これを一度、逆算してみてください。
ほとんどの事業所は、「なんとなく」目標を言っています。
でも数字に落とすと、必要な構造が見えてきます。
私はエンジニア時代、設計は“逆算”でやっていました。
生産活動もも同じです。
理想から逆算する。感覚ではなく、設計で上げる。
逆算の考え方と数字
やることはたった4つです。
STEP① 今の平均工賃を出す
例)
・利用者 20名
・月の総工賃支払額 200,000円
平均工賃 = 200,000 ÷ 20 = 10,000円
まずは“今”を正確に出します。
ここは感覚NG。必ず数字。
STEP② 目標工賃を決める
例えば、
「せめて月20,000円にしたい」
今10,000円 → 目標20,000円
つまり1人あたり+10,000円必要
20人なら?
10,000円 × 20人 = +200,000円必要
ここで初めて、「どれくらい足りないか」が見えます。
STEP③ 必要粗利を出す
ここ重要です。
工賃は「売上」ではなく「粗利」から出ます。
例えば:
今の経費構造で工賃に回せる割合が売上の40%なら…
200,000円の工賃を増やすには200,000 ÷ 0.4 = 500,000円の売上増
つまり、 月50万円の売上を新たに作らないといけない、ここで多くの人が固まります(笑)
でも大丈夫、まだ分解します。
STEP④ 必要販売数を出す
例えば、商品単価 2,500円
粗利率 50%(1,250円利益)
必要粗利(残る利益) 200,000円なら200,000 ÷ 1,250 = 160個販売
つまり、毎月160個売れれば目標工賃に届く計算。
ここで気づくこと
「無理だ…」と思うか、「じゃあ単価上げよう」と思うか。
例えば、
単価5,000円
粗利2,500円なら
200,000 ÷ 2,500 = 80個
半分になります。
つまり、
✔ 数を増やすか
✔ 単価を上げるか
✔ 粗利率を改善するか
戦略が見えてきます。
次回のブログはコチラ⇒<生産活動悩み相談>④「自社製品」を持つということの意味
生産活動の悩み相談<内職中心の事業所向け>
2026年02月12日 23:33