就労継続支援B型に特化 | 宮城・東北の指定申請・実地指導対策サポート

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第3回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>就労継続支援B型は「居場所」ではなく「就労の場」へ

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型についてご相談を受けていると、次のような声を耳にすることがあります。

「B型は居場所づくりの制度ですよね?」、「作業ができなくても通える場所ですよね?」

しかし、ガイドラインや報酬制度を読み解くと、この理解はすでに制度の考え方とズレ始めています。
今回は、就労継続支援B型の“位置づけの変化”について、国のガイドラインの考え方を踏まえて、わかりやすく整理していきます。

就労継続支援B型は「就労系サービス」である

まず大前提として、就労継続支援B型は生活支援系サービスではなく「就労系サービス」です。
就労系サービスには、主に次のものがあります。
・就労移行支援
・就労継続支援A型
・就労継続支援B型
この中でB型は、
・雇用契約は結ばない
・一般就労を直ちに目指すわけではない

という特徴があるため、「居場所」と誤解されやすいのですが、制度上は明確に“就労の場”として整理されています。

ガイドラインが示すB型の考え方の転換

ガイドラインや報酬改定の内容を見ると、国が求めていることが読み取れます。

否定されている考え方
・生産活動が形だけ
・作業参加が任意
・事実上の居場所運営
求められている考え方
・生産活動を通じた就労機会の提供
・作業・参加・継続の評価
・就労支援として説明できる運営

つまり、「居場所として通う場」から「就労の場として参加する場」へと、制度の軸足が明確に移っているということです。

「就労の場」=「厳しい職場」ではない

ここで注意しなければならないのは、就労の場になった=一般企業のように働かせるという意味ではないという点です。

B型における「就労」とは
・雇用契約なし
・能力・体調・障害特性への配慮あり
・成果より「参加・継続・適合」を重視

したうえで、 生産活動に参加している状態そのものを「就労」として評価する制度です。

国のガイドラインは、「厳しく働かせること」ではなく、「就労支援として説明できない運営」を問題視しています。

なぜ「居場所型運営」が問題視されたのか

背景には、国の次のような問題意識があります。
・生産活動の実態が確認できない
・工賃が極端に低いまま改善されない
・就労支援としての説明ができない
この結果
・平均工賃月額による評価
・目標工賃達成関連加算
・短時間利用減算
・生産活動への参加評価

といった制度改正が行われました。

 B型を“就労系サービスとして立て直す”これがガイドラインの大きな流れです。

これから新規開所する事業者が意識すべきこと

新規開所において重要なのは、「居場所を作りたい」ではなく「どのような就労の場を設計するか」を、最初から言語化できるかどうかです。
・どんな生産活動を行うのか
・利用者はどう参加するのか
・工賃や評価をどう考えるのか

これらはすべて、指定申請・事前相談・運営指導で必ず問われる視点です。

次回のブログはコチラ⇒第4回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編> 障害者総合支援法とB型事業の関係

2025年12月28日 00:38

第2回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>就労系障害福祉サービスの整理

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こんにちは、行政書士の 大場 です。

前回は、「就労継続支援B型とは何か」というテーマで、制度全体の位置づけをお話しました。
前回のブログはコチラ⇒第1回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>就労継続支援B型とは何か【制度の全体像】




今回はもう一歩踏み込み、就労系障害福祉サービスである

・就労移行支援
・就労継続支援A型
・就労継続支援B型

この 3つの違い を整理します。

この違いを正しく理解していないと、新規開所後に
「行政と話が噛み合わない」、「想定していた利用者が来ない」といったズレが生じやすくなります。

就労系障害福祉サービスの全体像

就労系サービスは、「一般就労を目指す人」から「一般就労が難しい人」まで、幅広い段階をカバーする仕組みになっています。

重要なのは、優劣の関係ではなく、役割分担という点です。

就労移行支援とはどんなサービスか

就労移行支援は
・一般企業への就職を目指す
・比較的短期間の訓練を行う

ことを目的としたサービスです。

特徴としては
・利用期間の原則がある
・就職をゴールとしている
・ビジネスマナーや職場実習が中心

という点が挙げられます。

行政の視点では、「就職に向けた準備段階」として位置づけられています。

就労継続支援A型の特徴

A型は
一般就労が難しいが雇用契約を結んで働くことは可能という方を対象としています。
A型の大きな特徴は、雇用契約を結ぶという点です。
そのため
・最低賃金の支払い
・労働法の適用
・企業に近い運営

が求められます。

行政としては、「雇用に近い就労支援」という位置づけになります。

就労継続支援B型の位置づけ

B型は
・一般就労が難しい
・雇用契約に基づく就労も困難
という方を対象としています。
最大の特徴は、 雇用契約を結ばないことです。

その代わり
・就労の機会
・生産活動の機会
・社会参加の場

を提供します。

つまりB型は、「働く練習の場」であり「生活を整える場」でもあります。

なぜB型は「雇用しない」のか

ここは非常に誤解されやすい点です。

「雇用しない=レベルが低い」という意味ではありません。

B型は
・体調の波が大きい
・継続勤務が難しい
・就労より生活支援が重要
といった事情を持つ方でも、安心して関われる仕組みとして設計されています。
これは、排除ではなく配慮という考え方です。

行政が想定している役割分担

行政は
・就労移行支援
・A型
・B型
を次のように整理しています。
・就労移行支援:就職を目指す準備
・A型:雇用に近い就労
・B型:就労・社会参加の基盤づくり

この違いを理解しないと起きるズレ

制度理解が曖昧なまま開所すると、
・A型的な運営をしてしまう
・就労移行的な成果を求めてしまう
・利用者とのミスマッチが起きる

といった問題が起こります。

これは、 事業者の想いが悪いのではなく、制度理解の問題であるケースがほとんどです。

まとめ

・就労系サービスは役割分担
・B型は雇用しないからこそ成立する支援
・優劣ではなく「適材適所」
2025年12月28日 00:04

第1回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>就労継続支援B型とは何か【制度の全体像】

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こんにちは、行政書士の 大場 です。

このブログでは、これから就労継続支援B型事業所を新しく開設したい方に向けて、制度の基本から、実際の新規指定・運営までを仙台市・宮城県の実務を前提に、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。


 

近年
・「B型を始めたいが、何から手を付けてよいか分からない」
・「制度が複雑で、ネットの情報もバラバラ」
・「指定が厳しくなっていると聞いて不安」

といった声を多く聞くようになりました。

そこでこのシリーズでは、国のガイドライン<令和7年11月28日通知>が何を求めているのか?行政はどこを見ているのか?
という視点を大切にしながら、順番に整理していきます。

就労継続支援B型とは、そもそも何か?

まず最初に、とても大切なところから確認しましょう。
就労継続支援B型とは、どんな制度なのでしょうか。
簡単に言うと、「すぐに一般就労は難しいけれど、働く意欲がある方に、働く“機会”を提供し、力を伸ばしていくための制度」です。
ここで重要なのは、「働かせる制度」ではなく「支援する制度」 だという点です。

就労系サービスの中でのB型の位置づけ

障害福祉サービスの中で、「就労」に関係するサービスは主に次の3つです。

・就労移行支援
・就労継続支援A型
・就労継続支援B型

よくある誤解として、「A型 → B型 → もう次はない」というような “上下関係” で考えられがちですが、制度上はそうではありません。

それぞれ、役割が違うだけです。

就労移行支援・A型・B型の違い

就労移行支援
・一般企業への就職を目指すサービス
・原則2年間の利用期限あり
・「就職すること」がゴール

 就職のための準備期間

就労継続支援A型
・事業所と雇用契約を結ぶ
・最低賃金が保障される
・労働法のルールが強く関係する

 雇用として働く形

就労継続支援B型
・雇用契約は結ばない
・工賃という形で報酬を得る
・利用期間の制限は原則なし

 働く経験を積みながら、力を伸ばす支援

B型は、「就職できなかった人の集まり」でも「最後の受け皿」でもありません。

国のガイドライン<令和7年11月28日通知>が示す「B型の考え方」

国が出しているガイドラインでは、就労継続支援B型について、はっきりとした考え方が示されています。

それは、

・B型は「居場所」ではない
・何もしなくてよい場所ではない
・就労に関する知識や能力を伸ばすための支援である

ということです。

つまり、「とりあえず通わせておけばいい」「作業は軽くて楽なものでいい」という運営は、制度の考え方と合わないと判断されやすくなっています。

「B型は誰のための制度か」

ここで、いちばん大切な問いです。
就労継続支援B型は、誰のための制度でしょうか。
答えはとてもシンプルです。
 利用者本人のための制度です。

事業者の都合や、「この作業の方が楽だから」、「この方が儲かりそうだから」という理由が先に立ってしまうと、ガイドラインの考え方からズレてしまいます。

行政は、
・利用者に合った支援になっているか
・無理のない作業内容か
・本当に“就労支援”と言えるか
という視点で見ています。

新規開所で最初につまずきやすいポイント

新規開所の相談で、よくあるのが次のような考えです。

「B型なら自由度が高いと思っていた」、「生産活動は、開所してから考えればいい」など・・・

しかし、現在は

・制度の理解
・生産活動の内容
・人員配置
・収支計画

最初からセットで説明できるか が求められています。

ここがズレたまま進むと、

・事前相談で止まる
・指定申請で何度も補正になる
・開設後すぐに運営指導で指摘される

というケースにつながりやすくなります。

まとめ

・就労継続支援B型は「居場所」ではない
・働く機会を通じて、力を伸ばす制度
・A型・移行支援とは役割が違う
・国のガイドラインは「実態のある就労支援」を求めている

新規開所では、「B型をどう理解しているか」そのものが問われます。

次回のブログはコチラ⇒第2回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>就労系障害福祉サービスの整理

2025年12月27日 17:46

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑨新規指定がゴールではありません。

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こんにちは、行政書士の大場です。

ここまで、令和7年11月28日に示されたガイドラインをもとに、就労継続支援B型の新規指定で何が見られているのかを、順を追って整理してきました。

最終回となる今回は、ガイドライン全体を通して伝わってくる、一番大切なメッセージを整理します。
指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて|厚生労働省

指定は「スタートライン」にすぎない

新規指定を目指している方の多くは、どうしてもこう考えてしまいがちです。
「まずは指定を取ることが目標」もちろん、指定がなければ始まりません。
ただし、今回のガイドラインを読むと、国や指定権者の考え方は、はっきりしています。

指定はゴールではなく、運営のスタートという位置づけです。

指定後、何が起きるのか

ガイドラインでは、新規指定後について、指定後おおむね6か月を目安に運営状況の確認を行うという考え方が示されています。

つまり、

・生産活動は計画どおり行われているか
・工賃は生産活動収入から支払われているか
・人員配置や支援体制は維持されているか

といった点を、比較的早い段階で確認されるということです。

「計画どおりか」が問われる理由

ここで重要なのは、新規指定時に提出した

・事業計画書
・収支の考え方

これらが、そのまま確認の基準になるという点です。

指定後に「実際にやってみたら違いました」という説明は、基本的には通りません。

・ 書いたことは、やる前提
・ 書いていないことは、やらない前提

この考え方で見られます。

ガイドラインが警戒している運営とは

今回のガイドラインでは、次のような運営に対して、明確な警戒が示されています。

・生産活動の実態が乏しい
・工賃を自立支援給付費で補填している
・就労支援として説明できない活動が中心
・記録が不十分で、支援内容が見えない

これらはすべて、「指定後に問題になる運営」です。

新規指定の段階から、ここを避ける設計が求められています。

新規指定で本当に準備すべきこと

ガイドラインを踏まえると、新規指定で本当に大切なのは、

書類を通すことではなく指定後も続けられる運営を考えることです。

具体的には、

・生産活動を無理なく続けられるか
・工賃の仕組みが現実的か
・職員体制が破綻しないか

・在宅支援などの例外対応を説明できるか

こうした点を、指定前に考え切れているかが問われます。

「想い」だけでは続かない

新規指定の相談では

・利用者のために
・地域のためにという強い想いを持っている方も多いです。

それ自体は、とても大切です。
ただし、ガイドラインが求めているのは、想いを、制度の中で形にできるかという点です。

制度を理解し、ルールの中で支援を続ける力がなければ、結果的に、利用者を守れなくなってしまいます。

ガイドラインが示したこと

全9回を通して見えてきた、ガイドラインの示したいことはこれです。

「就労支援として、きちんと向き合っている事業所を残したい」です。

・形だけの事業所
・公費目的の運営
・説明できない支援

こうしたものを減らし、本来の就労支援を行う事業所を守るという意図が、はっきり読み取れます。

最後に(新規指定を目指す方へ)

これから就労継続支援B型の新規指定を目指す方は、ぜひ、

指定を取るために何を書くかではなく指定後、どう運営するかという視点で、計画を見直してみてください。

その視点があれば、ガイドラインは「怖いもの」ではなく、道しるべになります。

 

このブログシリーズは、令和7年11月28日に示された就労継続支援B型に関するガイドラインをもとに、新規指定を目指す方向けに、実務目線で整理してきました。
今後は、既存事業所向けの運営・指導対応ブログシリーズも予定しています。

次回のブログはコチラ⇒

2025年12月25日 23:55

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑧在宅支援に慎重な理由

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こんにちは、行政書士の大場です。

在宅支援については、「できる・できない」という話になりがちですが、今回示されたガイドラインを丁寧に読んでいくと、もう少し整理された考え方が示されています。

在宅支援は、通所による対面支援を基本としたうえで、必要な場合に限って検討される支援です。

最初から前提として選ぶ支援形態ではなく、個別の事情がある場合に位置づけられるものというのが、ガイドラインの基本的な考え方です。

就労継続支援B型は「通所による対面支援」が基本

ガイドラインでは、就労継続支援B型の支援について、

・職員による関与があること
・利用者の様子が確認できること
・就労支援としての実態が伴っていること

が、前提として示されています。

これらを踏まえると、通所による対面支援が基本という位置づけになるのは自然な流れです。

なぜ在宅支援は慎重に扱われているのか

在宅支援が慎重に検討される理由は、とてもシンプルです。

① 支援の実態が確認しにくいから

在宅支援では

・実際に作業をしているか
・適切な助言や指導が行われているか

といった点が、通所支援に比べて確認しづらくなります。

行政としては、「支援が行われているかどうか」を確認できることが非常に重要です。

② 就労支援としての効果が見えにくいから

就労継続支援B型は、単に作業をする場ではなく、

・働く力を身につける
・就労に向けた準備をする

ための支援です。

在宅支援では、

・作業の様子

・利用者の変化

・支援の積み重ね

が見えにくくなるため、就労支援としての効果が説明しづらくなるという側面があります。

③ 不適切な運営を防ぐ必要があるから

ガイドラインでは

・実態のない支援
・名ばかりの作業
・公費を目的とした運営

といった不適切な事例への警戒が、明確に示されています。

在宅支援は、こうした問題が生じやすい形態でもあるため、
特に丁寧な説明と運営が求められるという位置づけになっています。

新規指定で在宅支援を前提にする場合の注意点

新規指定の段階で、「在宅支援を中心に運営します」という計画を立てると、行政からは、次の点が必ず確認されます。

・なぜ通所では対応できないのか
・在宅でなければならない具体的理由は何か
・職員はどのように関与するのか

理由が曖昧なままでは、評価は厳しくなります。

在宅支援を行う場合に求められる視点

ガイドラインの考え方を踏まえると、在宅支援を行う場合には、少なくとも次の点が必要です。

・在宅支援が必要となる理由が明確であること
・在宅で行う作業内容が具体的であること
・職員による支援・助言の方法が整理されていること
・支援内容や作業状況の記録が残ること
・緊急時の対応方法が決まっていること

「できるからやる」ではなく、「必要だから行う」ことが説明できるかが重要になります。

次回のブログはコチラ⇒

2025年12月25日 23:32

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑦工賃の原資、ちゃんと説明できますか?

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こんにちは、行政書士の大場です。

ガイドラインを読んでいて、行政が一番ピリッとしているポイントがあります。
指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて|厚生労働省

それが、工賃の原資(どこから工賃を払うのか)です。

ここが曖昧だと、どんなに想いがあっても、新規指定は一気に難しくなります。

工賃は「なんとなく払うお金」ではない

まず大前提から。就労継続支援B型の工賃は、生産活動によって得た収入から支払うものです。

これは、努力目標でも、理想論でもありません。
制度の前提です。

「最初は赤字でも、あとで…」が危ない理由

新規指定の相談で、よく聞く説明があります。
「最初は売上が出ないので、しばらくは持ち出しで工賃を払います」一見、誠実そうに聞こえますよね。

でも、ガイドラインの視点では、ここに強い警戒が入ります。

行政の頭の中では、こう変換されてしまいます。
「それ、もしかして「自立支援給付費」で補填しませんか?」

※「自立支援給付費」とは
障害福祉サービスを提供した対価として、国や自治体から事業所に支払われるお金です。

なぜ自立支援給付費での補填が問題なのか

理由はシンプルです。

・自立支援給付費
→ 支援体制を整えるためのお金
・工賃
→ 生産活動の成果として支払うお金の割がまったく違うからです。

これが混ざると、

・会計が不透明になる
・生産活動の実態が分からなくなる
・「働いた対価」という意味が失われる

という問題が起きます。

行政が工賃で見ているポイント

ガイドラインから読み取れる、工賃に関するチェックポイントは次のとおりです。

① 生産活動収入が見込めるか
・誰から
・何で
・いくら

収入が入るのか、説明できるか。

② 工賃との関係が説明できるか
・売上に対して、工賃はいくらか
・利用者はどのくらい関わるのか

「なんとなく平均工賃○円」は、通りにくくなっています。

③ 赤字前提になっていないか
・ずっと赤字
・工賃は別のお金で補填

この構造は、ガイドライン上、かなり危険です。

「工賃を出さない」はOK?

ここも、よく誤解されます。

結論から言うと、 工賃ゼロは、原則NGです。

B型は「就労支援」です。
工賃は、その成果の象徴金額の大小ではなく、

・工賃を支払う仕組みがあるか
・生産活動と結びついているか

が問われます。

工賃は「夢」ではなく「設計」

工賃の話になると、

・将来は上げたい
・軌道に乗ったら考える

という表現が増えがちです。

でも、新規指定の段階では、 今、どう払うかが問われます。

・単価
・数量
・作業時間

を踏まえた、現実的な設計が必要です。

次回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑧在宅支援に慎重な理由

2025年12月25日 22:54

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑥その生産活動、本当に「就労支援」になっていますか?

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こんにちは、行政書士の大場です。

今回のガイドラインを通して、共通して示されている考え方があります。
指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて|厚生労働省
それは、就労継続支援B型は「居場所」ではなく「就労支援」であるという点です。

この前提を取り違えると、どんなに人員配置や書類が整っていても、生産活動の説明で必ずつまずきます。

生産活動は「何かやっていればいい」ものではない

B型事業所の生産活動について、

・無理のない作業
・利用者が安心して取り組める活動

を重視する考え方自体は、間違っていません。

ただし、ガイドラインが求めているのは、「やさしさ」だけではない生産活動です。

行政が見ているのは、「それは、就労につながる支援ですか?」という一点です。

なぜ「居場所型」は問題視されるのか

ガイドラインが繰り返し警戒しているのが、B型事業所が、

・ただ集まる場所
・時間を過ごす場所

になってしまうことです。

B型は、

・就労に向けた準備
・働く力を身につける過程

を支援するサービスです。

「居心地の良さ」だけが目的になってしまうと、就労支援としての位置づけが弱くなります。

行政が生産活動で見ている3つの視点

ガイドラインから読み取れる、生産活動のチェックポイントは、大きく3つです。

① 仕事として成立しているか
・需要があるか
・対価が発生するか
・成果物があるか

「活動」ではなく、
「仕事」になっているかが問われます。

② 利用者がどう関わるのか

・役割分担があるか

・成長の過程が見えるか

・作業が固定化しすぎていないか

ただ参加しているだけでは、就労支援とは言いにくくなります。

③ 一般就労とのつながりが説明できるか
・どんな力が身につくのか
・他の仕事にどう活かせるのか

ここが説明できないと、
「就労につながらない活動」と判断されやすくなります。

eスポーツや水やりが問題になる本当の理由

誤解されがちですが、eスポーツや水やり自体がダメという話ではありません。

問題にされるのは、

・就労とのつながりが見えない
・成果や対価との関係が弱い
・作業の意味づけが曖昧

といった点です。

ガイドラインが問うのは、「それを続けた先に、何が残るのか?」です。

「軽作業」なら安全、ではない

軽作業は、多くのB型で行われています。
ただし、軽作業であっても、

・工夫や改善の余地があるか
・利用者が“置かれているだけ”になっていないか
・生産性を意識した取り組みか

といった点が見られます。

内容の説明ができない軽作業は、評価されにくいというのが実務の感覚です。

生産活動は「説明できて初めてOK」

ガイドライン全体を通して言えるのは、これです。

 その生産活動を、第三者に説明できますか?

・なぜこの作業なのか
・なぜB型に合っているのか
・どんな就労力が身につくのか

これを、

・代表者
・管理者
・サービス管理責任者

全員が同じ説明でできることが、重要です。

次回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑦工賃の原資、ちゃんと説明できますか?

2025年12月25日 22:26

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑤利用者募集、どこからアウト?

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こんにちは、行政書士の大場です。

新規指定の相談で、かなりの確率で出てくるのが、こんな言葉です。
「利用者さん、どうやって集めればいいですか?」、「最初は来てもらうのが大変ですよね?」

その通りです。
ただし、集め方を間違えると、指定そのものが危うくなります。
 

「誘因行為」って、何がダメなのか

難しそうな言葉ですが、意味はシンプル。
お金やモノで釣って、通所させることです。

「善意だけどアウト」な例

実務でよく見かけるのが、こんなケースです。

・交通費を全額負担します
・来るだけで○〇がもらえます
・とにかく工賃が高いです!

事業者側の気持ちは分かります。
「来てもらわないと始まらない」「利用者さんの負担を減らしたい」

でも、行政の見方はこうです。
「それ、支援じゃなくて“呼び込み”ですよね?」

なぜ誘因行為がダメなのか

理由は3つあります。

① 支援の本質がズレる
本来、B型は就労の訓練をする場所です。
「来ると得をするから行く」が動機になると、支援の意味が薄れてしまいます。
② 本人の意思が見えなくなる

誘因が強すぎると、

・本当に働きたいのか
・ただ特典が欲しいのか

が分からなくなります。

これは、支給決定を行う市町村にとっても大問題です。

③ 公費の使い方として疑われる

B型は、公費で運営される制度です。

・税金で
・通う理由を作っていないか

という視点で、非常にシビアに見られます。

チラシ・HP・SNS、全部見られています

「まだ指定前だから」「HPは仮だから」通用しません。

ガイドラインでは、

・チラシ
・ホームページ
・SNS

などの募集表現も、確認対象になることがあります。

特に危険なのは、

・「高工賃!」だけが強調されている
・支援内容がほとんど書いていない
・お金の話ばかり前面に出ている

こうした表現です。

「高工賃」は言っていい?ダメ?

数字だけを強調すると危険です。

・なぜその工賃水準なのか
・どんな作業を行っているのか
・継続性はあるのか

こうした説明がなく、
「とにかくうちの事業所は工賃が高いです」だけだと、誘因行為と疑われやすくなります。

OKになりやすい募集の考え方

では、どう書けばいいのか。

ポイントは、 支援内容を主役にするです。

たとえば、

・どんな作業をするのか
・どんな力を身につけるのか
・どんな一日になるのか

を丁寧に伝える。工賃や交通費の話は、あくまで補足にとどめる。

これが、ガイドラインが想定している募集の形です。

新規指定の段階ほど、見られます

特に注意したいのは、新規指定の段階が一番見られる

という点です。

・指定前
・指定直後
・開所後まもなく

この時期の募集方法は、その後の運営指導でも必ず振り返られます。


次回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察⑥その生産活動、本当に「就労支援」になっていますか?

2025年12月25日 02:41

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察④事業計画書は「ひな型コピー」で一発アウト

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こんにちは、行政書士の大場です。

前回は、事前説明・確認は「説明会」ではなく「最初のふるい」という話をしました。
前回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドラインの考察③事前説明・確認で聞かれること

今回は、その次にほぼ確実に待っている壁、 事業計画書についてです。

そして、先に結論を言います。

 ひな型をそのまま使った計画書は、だいたい見抜かれます。

「きれいな事業計画書」=「いい事業計画書」ではない

新規指定の相談で、よく聞くのがこの言葉です。
「ネットにいいひな型がありまして」「コンサルが用意してくれるので安心です」「文章は整ってます」

でも、ガイドラインが見ているのは、文章の上手さではありません。

行政が知りたいのは、これです。

この事業、誰が・どんな考えで・どうやって回すの?

なぜひな型流用が嫌われるのか

ガイドラインでは、事業計画書について、かなりはっきりした姿勢が示されています。
指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて|厚生労働省

ポイントはここです。

・地域の状況
・利用者像
・生産活動の内容
・人員体制
・収支の考え方

これらは、本来事業所ごとに全部違うからです。

それなのに、

・どこかで見た文章
・地名だけ差し替え
・生産活動が抽象的

だと、行政はこう思います。
「これ、本当に自分たちで考えてる?」

管理者が「説明できない計画書」は危険

ガイドラインで繰り返し強調されているのが、 管理者が責任を持つという言葉です。

これは、

・管理者が内容を理解している
・聞かれたら説明できる
・運営もその人が中心になって行う

という意味です。

事前説明やヒアリングで、
「それは作成者に聞かないと…」「詳しくはコンサルが…」となった瞬間、事業計画書の信用度は一気に下がります。

行政は、ここを見ています

事業計画書で、特に見られているポイントを整理します。

① なぜB型なのか
・A型ではなぜダメなのか
・利用者の就労段階はどこか
ここが曖昧だと、全体がぐらつきます。
② 生産活動は「仕事」と言えるか
・作業内容が具体的か
・利用者がどう関わるのか
・将来の就労につながる要素があるか

「何となくやります」はNGです。

③ 工賃の考え方が現実的か
・売上はどう作るのか
・単価・数量・作業時間は合っているか
・赤字前提になっていないか

ここは、かなりシビアに見られます。

④ 人員体制は絵に描いた餅になっていないか
・管理者・サビ管は実働するのか
・兼務が多すぎないか
・欠員が出たらどうするか

「予定」だけの体制は弱いです。

事業計画書は「将来の自分を縛る書類」

ここ、意外と見落とされがちです。

事業計画書は、

・指定を取るための書類
ではなく指定後の運営指導で必ず見返される書類です。

つまり、

・書いたことは「やる前提」
・ 書いていないことは「やってはいけない」という扱いになります。

「あとで変えればいいや」は、あとで自分の首を絞めることになります。

いい事業計画書って、どんなもの?

派手である必要はありません。

むしろ、

・できることしか書いていない
・数字が控えめ
・説明がシンプル

こういう事業計画書の方が、行政の評価は高いことが多いです。

次回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドラインの考察⑤利用者募集、どこからアウト?

2025年12月25日 02:19

<新規向け>ガイドライン<令和7年11月28日通知>の考察③事前説明・確認で聞かれること

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こんにちは、行政書士の大場です。

前回は、「新規指定って、思いつき順では進まない」という話をしました。
前回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドラインの考察②新規指定までの流れ、実はこんな順番です。

今回はその中でも、一番軽く見られがちで、一番差がつくポイント「事前説明・確認」です。

 

事前説明・確認=説明会、ではありません

名前だけ聞くと、
「説明を聞くだけでしょ?」、「まだ審査じゃないですよね?」と思われがちですが、
ガイドラインを読むと分かります。
指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて|厚生労働省

この時点で、すでに行政から“見られています”

しかも、

・書類よりも
・建物よりも

人を見られています。

誰が呼ばれるか、もう決まっています

ガイドラインでは、事前説明・確認の相手について、はっきり書かれています。

✔ 法人の代表者
✔ 事業所の管理者
✔ サービス管理責任者

です。

逆に言うと、

・コンサルだけ
 ・代理人だけ
 ・「今日は担当者がいないので…」

これは、かなり印象がよくありません。

行政側の本音はシンプルです。
「この事業、誰が責任を持つの?」

ここで必ず聞かれる質問

事前説明・確認で、ほぼ確実に聞かれるのは次のようなことです。

① なぜ、この事業を始めようと思ったのか

ここで多いのが、

・「ニーズがあると思った」
・「知人に勧められて」

という回答だと、気持ちは分かりますが、それだけだと弱いです。

② なぜA型ではなく、B型なのか

これは必ず聞かれます。

しかも
「A型は難しそうだから」は、あまり良い答えではありません。

・利用者像
・就労の段階
・支援内容の違い

を理解して選んでいるか、を見られます。

③ どんな生産活動をする予定なのか

ここは、かなり突っ込まれます。

・何をやるのか
・利用者はどのくらい関わるのか
・それは「仕事の訓練」になっているか

「まだこれから考えます」は、正直に言うと不利です。

④ 工賃は、どこから支払うつもりか

これは、ガイドラインで一番強く意識されている点です。

答えはもちろん、生産活動の収入からです。

「最初は赤字でも、なんとか…」という発想は、ここでは通用しません。

「想い」は大事でも、それだけでは足りない

この場で、

・利用者のために
・地域のために

という話をする方は多いです。

それ自体は、悪くありません。

ただし、行政が見ているのは、 その想いを、制度の中で実現できるかです。

・制度を理解しているか
・ルールを守る前提になっているか
・継続できる計画か

ここが見えないと、「まだ準備が足りない」と判断されます。

“つまずくパターン”

実務でよく見るのは、こんなケースです。

・代表と管理者で話が食い違う
・サビ管が内容を把握していない
・生産活動がふわっとしている
・工賃の話になると急にあいまい

この状態で事前説明に行くと、その後の流れが一気に重くなります。

事前説明・確認は「最初のふるい」

ガイドラインを読むと分かりますが、この段階は、落とすための場ではありません

ただし、「今はまだ早いかどうか」を見極める場ではあります。

逆に言えば、

・ここをしっかり準備できていれば
・その後の審査は、かなり進めやすくなります。


次回のブログはコチラ⇒<新規向け>ガイドラインの考察④事業計画書は「ひな型コピー」で一発アウト

2025年12月25日 01:57

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