こんにちは、行政書士の大場です。
前回までは「居場所型B型」について、“通うこと”そのものを支援にする考え方を見てきました。
今回からは、その“もう一つの方向”「働く力」を育てる“就労型B型”のお話です。
“働く力”を支える場所
まだフルタイムで働くのは難しいけれど、少しずつ社会の中で自分の力を試していくそんな“リハビリ的なしごと”の場です。
「就労型B型」ってどんな事業所?
“働く”を通して得られる3つの力
国の資料では、B型の目的を
「働くことを通じて、社会生活の力をつける」としています。
これをもう少しやさしく言い換えると、“就労型B型”では次の3つの力を育てています。
| 育てる力 | 具体的には… |
|---|---|
| ① 生活の力 | 朝起きて、決まった時間に通う習慣 |
| ② 人と関わる力 | 挨拶・相談・協力などのコミュニケーション |
| ③ 働く力 | 作業・集中力・責任感・自信の積み重ね |
この3つが揃うと、「次のステップ」(A型・一般就労など)へ進む力が自然に身につきます。
“工賃を上げる”とは
就労型B型では、よく「工賃向上」という言葉が出てきます。
ただ、ここでいう“工賃アップ”は「頑張れ!」ではありません。
工賃を上げるためには、職員・利用者・地域企業がチームで動く仕組みづくりが大切です。
こうした仕組みが整うと、結果的に「働く力」も「工賃」も上がっていきます。
この“経営と支援のバランス”が、就労型B型の醍醐味です。
仕事をつくる力が未来を変える
最近の報酬改定では、「新しい生産活動を生み出す事業所」が高く評価されています。
・生産活動の専門性(例えば、印刷事業専門、リネン事業専門、製造業専門など>
こうした取り組みは、単なる作業ではなく、“地域とつながるしごと”でもあります。
就労型B型の強みは、「しごとを待つ」のではなく「しごとをつくる」そこに、これからの工賃アップの可能性があると感じます。
次回のブログはコチラ⇒<行政書士が解説・就労型のB型事業所②>工賃アップは目的ではなく仕組み