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お知らせ

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑲>体制整備<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型事業所の新規立ち上げのご相談を受けていると、開設準備の段階では「とにかく人を集めれば何とかなる」と考える法人が少なくありません。

しかし、利用者が増え、職員が増えていくと、「誰が」「何を」「どのように判断するのか」が曖昧なままでは、現場が混乱してしまいます。

その混乱を防ぎ、支援の質を安定させるために必要なのが、「体制整備」=“運営を仕組み化すること” です。

 ① 体制整備とは?

体制整備とは、法人が行う支援・運営を「人任せ」にせず、組織的に動かすためのルールをつくることです。
言い換えれば、
「誰が」「どのように」「どこまで」責任を持つかを明確にすることです。
この仕組みがないと
・苦情対応が個人判断になる
・支援内容が職員ごとにバラつく
・加算届や記録点検が滞る
など、見えないトラブルが増えていきます。

<行政書士の視点>
“体制整備”は、書類の整理ではなく“信頼を守る仕組みづくり”です。
明文化しておくことで、誰が入っても同じ支援が提供できます。

 ② 組織図をつくる  

まず取り組みやすいのは、組織図(体制図)の作成です。
これがあるだけで、事業所全体の流れが一目で分かります。

組織図の基本構成(例)
 

                 理事長・代表者
                     ↓  
・ 管理者 ・サービス管理責任者(サビ管)・ 職業指導員 ・ 生活支援員 ・ 嘱託医・外部支援者

< 行政書士の視点>
組織図に“実際の氏名・勤務形態・兼務先”を明記しておくと、加算届や実地指導の際に、すぐに説明ができるようになります。

③ 会議体制の整備 

支援の現場で多いのが、「伝えたつもり」「聞いたつもり」になっているケースです。
これを防ぐには、定例会議の体制化が欠かせません。
会議名 主な目的 頻度の目安
全体会議 運営方針・行事・安全確認 月1回
個別支援会議 利用者支援内容の見直し 3か月に1回
職員ミーティング 日々の作業・工賃・課題共有 週1回
管理者・サビ管会議 加算届・帳票点検・改善方針 月1回

<行政書士の視点>
“会議録を残す”だけで、支援の見直しや改善が「根拠あるもの」になります。議題・日付・出席者・決定事項の4点を必ず記録しておきます。

 ④ 苦情・緊急時対応のルールづくり

利用者や家族からの苦情、事故や急病時の対応
これらは体制整備の有無で結果が変わる部分です。

整備項目 内容 書類の例
苦情対応体制 担当者・第三者委員・行政窓口を明示 苦情対応規程・掲示ポスター
緊急時対応体制 故・災害・感染症・急病対応 緊急時対応マニュアル
報告体制 誰が・どこに・いつ報告するか 事故報告書・報告フロー表

< 行政書士の視点>
「何か起きたときに誰が動くのか」それを迷わないための整備が、体制整備の本質です。
ルール化しておくと、管理者不在時でも対応が止まりません。

 ⑤ 外部連携体制 ― “地域で支える”仕組み

B型事業所は、単独で完結する支援ではありません。
外部支援者、医療機関・企業・学校・地域団体・行政など、外部との連携体制があることで支援が安定します。

< 行政書士の視点>
嘱託医契約書や連携協定書を整えておくと、「連携体制あり」として加算届や実地指導で評価されます。

⑥ 属人運営から仕組み運営へ

開設当初は、管理者やサビ管の力量でなんとか回る事業所も多いですが、それは“人がいるうちだけ”の運営です。
長く続く事業所は、例外なく“仕組みで動いている”のが特徴です。
段階 状況 対応策
初期 管理者中心で動く 組織図・会議体制を整える
中期 職員が個別判断で対応 マニュアルと報告ルールを設定
定着 チームで支援を共有 定期点検・改善会議を継続運用

< 行政書士の視点>
「誰がいても変わらない支援」こそ、本当の安定運営です。
体制整備とは、“安心して引き継げる仕組み”を作ることです。

次回のブログはコチラ⇒
 

2025年11月05日 22:42

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑱>帳票整備<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型事業所の運営で、日々の支援内容をどのように残すか、それが「帳票整備」の目的です。

「支援はちゃんとやってるんです」、「利用者さんも元気に通っています」それでも、帳票(記録)がなければ、行政にも、第三者にも、“支援の証拠”としては認められません。

 ① 帳票整備とは

帳票とは、日々の支援や運営を記録・管理するための書類です。
行政は、「どんな支援を、誰が、いつ、どのように行ったか」を、帳票で確認します。

<行政書士の視点>
帳票整備とは、“支援の裏づけを残す”作業です。
「やっていること」と「記録」が一致して初めて、支援と認められます。

 ② 帳票の基本4分類

B型事業所で必要となる帳票は、実は数十種類にのぼります。
しかし整理してみると、大きく4つのグループに分けられます。

分類 主な帳票 内容・目的
利用開始関係 利用契約書、支援計画案、個人情報同意書 契約・受給者証・初期面談に関する書類
日々の支援記録 日誌、個別支援記録、出席簿、作業記録 日常の訓練・活動内容の記録
会議・モニタリング関係 支援会議録、モニタリング記録、ケース会議録 支援内容の見直し・評価の記録
運営管理関係 勤務表、加算届控え、研修記録、工賃計算書 職員配置や経営体制に関する記録

< 行政書士の視点>
帳票の目的は“支援を見える化”することです。
「この利用者に、どんな変化があったか」が追えるかどうかがカギです。

③ 書き方のコツは「誰が読んでもわかること」

帳票の文章でよくあるのが、
たとえば
「本日、○○さんは、集中して作業できました。」だけ記載した場合、これでは“よかった”以外の情報がありません。
行政が知りたいのは、支援者がどう関わったかです。

< 記録の書き方の工夫>

NG例 OK例
「集中して作業できた」 「指導員が作業手順を再確認し、15分集中して封入作業を継続できた」
機嫌が悪かった」 「朝の声かけ時に拒否反応が見られたため、休憩を促し10分後に作業再開」

<行政書士の視点>
「誰が見ても支援内容が伝わる文章」こそ帳票の理想形です。
感想ではなく“行動+支援+結果”をセットで書くのがコツです。

 ④ 帳票整備の運用ルール

帳票整備を形だけで終わらせないためには、運用ルールが大切です。

項目 内容
記録者 原則として支援を行った職員がその日のうちに記入
保管期間 5年間
点検 月1回、サビ管・管理者が抜き取り確認
修正 訂正線+日付+署名で対応(消しゴムはNG)
共有 会議で記録内容をフィードバックする

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2025年11月05日 22:18

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑰>同意書の整備<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

契約や説明書の整備が終わると、次に必要なのが 「同意書」 です。

なぜなら、同意書は契約とは別物です。
契約が“制度上の約束”なのに対して、同意書は“日々の支援に関する了承”を得るための大切な書類です。

 

 ① 同意書とは「信頼の証拠」

同意書とは、利用者や家族が「このことに同意しました」と意思を示すための文書です。
障害福祉の現場では、
・写真撮影・SNS掲載
・医療機関との情報共有
・緊急時の搬送
・外出・企業見学の参加
など、日常のさまざまな場面で“同意”が求められます。

< 行政書士の視点>
同意書は“保険のような存在”です。
普段は出番がなくても、いざという時に法人を守ってくれます。

② 同意書が必要な主な4つの分野

分野 同意の内容 注意点
個人情報 記録・写真・SNS投稿などの利用 “内部利用”と“外部公開”を分けて書く
医療連携 嘱託医・主治医への情報提供 緊急時搬送の同意をセットで取る
家族連絡 緊急連絡先や相談内容の共有範囲 成年後見人・支援者との関係を整理
外出・行事 事業外活動への参加 保険加入・安全管理の説明も明記

< 行政書士の視点>
「一枚で全部書く」のではなく、目的別に分けるのが基本です。
あいまいな同意は、後で“トラブルの火種”になります。

  ③トラブルになる事例

<写真掲載の同意が曖昧>
→ 「ホームページに使っていいですか?」と聞いて“はい”と答えた。
後日、「ここまで載せるとは思わなかった」と家族からクレーム。
< 対策>
→ 「内部掲示」「法人SNS」「ホームページ」「報告書」など、使用範囲を項目で分けて明示する。
<医療情報の共有が不明確>
嘱託医にカルテを共有したら、「本人の同意を取っていない」と指摘された。
< 対策>
→ 医療連携同意書に、「診断書・意見書等の情報提供を受けることに同意します」と具体的に書くこと。
<緊急時の連絡体制が曖昧>
利用者が倒れた際、家族に連絡がつかず混乱し、同意書に連絡優先順位の記載なし。
<対策>
→ 「①本人→②家族→③後見人→④緊急連絡先」のように、連絡順を明記しておくこと。

④ 同意書を整備するコツ

・目的ごとに用紙を分ける(個人情報・医療・外出など)
・本人署名欄と代理人欄を分ける
・署名日・説明者名を記載
・年1回の更新(利用継続時に再確認)
・同意の撤回方法を明示(「いつでも取り消せます」)
< 行政書士の視点>
同意書は、法人を守ると同時に“利用者の安心”を守る書類です。
「何にどう使うのか」を明確に説明することが、信頼の第一歩になります。

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2025年11月05日 21:56

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑯>なぜ「契約・帳票・体制整備」が必要なのか?<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型事業所の開設準備が進むと、建物・人員・申請書類が整ったあとにやってくるのが、「契約書」「帳票」「体制整備」です。
「ここまで準備したのに、まだ書類が必要なんですか?」そう感じる方も少なくありません。
でも実は、この部分こそが“運営の仕組み”の核心なんです。

 ① 「契約書」について

就労継続支援B型事業所は、利用者と法人の間に“契約関係”がある事業です。
つまり、サービスを提供するには必ず「契約書」が必要になります。

この契約があることで、
・利用者の権利が守られ、
・事業所の責任が明確になり、
・行政が給付費を支払う根拠が生まれます。

< 行政書士の視点>
“契約書”とは、法律のための書類ではなく、支援を正しく始めるための約束文書です。

② 「帳票」について

支援は目で見えません。

だからこそ、帳票(記録)によって「支援を見える化」する必要があります。
・支援日誌
・個別支援記録
・モニタリング記録
・会議録・工賃計算書

これらの帳票は、「やった」「伝えた」「話した」ではなく、「記録として残した」ことが証拠になります。

③ 「体制整備」について

建物や職員がそろっていても、「誰が、何を、どの順番で行うか」が決まっていないと、事業は動きません。

体制整備とは、
・組織図の作成
・会議体制の設定
・苦情対応・緊急時の連絡ルール
・研修・記録の保管ルール
こうした“運営の仕組み”を、紙に落とし込む作業です。

 ④事業運営の骨組みつくり

「契約」「帳票」「体制整備」を整えるということは、事業運営の骨格をつくることです。

分野 意味 結果
契約 利用者との約束 トラブル防止・信頼構築
帳票 支援の記録 実地指導・加算対応
体制整備 運営の仕組み 継続・改善・共有化


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2025年11月05日 13:09

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑮>現地確認と指定通知<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型の指定申請で、すべての書類を提出してホッと一息……と思ったら、次に待っているのが 「現地確認(実地検査)」 です。
「書類は通ったのに、現地でストップした!」、「指摘が入って、開設が1か月延びた…」そんな話、珍しくありません。

現地確認は“最後の関門”であり、“開設前のリハーサル”でもあります。

 ① 現地確認とは 

現地確認は、行政職員が事業所に来て、「書類どおりの状態になっているか」を確認する工程です。

チェック項目 目的
建物・設備 面積・避難経路・トイレ・段差などの基準確認
掲示物 規程・契約・支援内容の“見える化”
人員体制 実際に勤務予定の職員がいるか
書類整備 利用契約書・重要事項説明書などの雛形確認

< 行政書士の視点>
現地確認は“申請書の答え合わせ”、書類と現場の内容が違うと、修正を求められます。

 ② よく見られるポイント3つ

① 面積と定員の整合性
→ 平面図の数値と実測面積が一致しているか。
特に、机やパーテーションで通路が狭くなっていないかもチェックされます。
② 消防・避難関係
→ 消火器・非常口・誘導灯の設置位置。
「消防署の点検控え」を求められる場合があります。
③ 掲示物と書類の整備
→ 下記のような掲示が求められます。
掲示が必要な主なもの
・運営規程
・重要事項説明書(抜粋)
・苦情受付窓口
・利用者負担額の目安
・指定通知後の「指定書」

< 行政書士の視点>
掲示物は「職員が見るため」ではなく「利用者が理解できるため」のものです。
小さな張り紙ひとつにも“支援の姿勢”が表れます。

 ③ 当日の流れ

1, 行政職員が来所(複数名の場合あり)
2,書類確認(体制表・契約書・規程など)
3,建物案内(入口→作業室→トイレ→避難経路)
4, 質問・補足説明
5,指摘事項の口頭確認

< 行政書士の視点>
“緊張する面談”というより“現場見学+確認”、職員が「ここはこういう意図で設計しています」と説明できると印象が良いです。

④ 指摘が入ったときの対応

指摘=不合格ではありません。
“修正すればOK”がほとんどです。

指摘例 対応方法
掲示物が不足 その場で追加掲示・後日写真提出
面積表記のずれ 平面図を修正して再提出
消防届出の不足 消防署に再確認・控えを追加提出

 ⑤ 指定通知 

現地確認が終わり、修正対応も完了すると、いよいよ行政から 「指定通知書」 が交付されます。

この通知書には、
・事業所番号(10桁)
・指定年月日
・有効期間(6年間)
などが記載されています。

< 行政書士の視点>
指定通知書は“障害福祉事業の免許証”です。

⑥ 指定後にやることリスト

現地確認が終わっても、まだやることがあります。

・ 給付費請求システムの登録
・ サービス管理責任者の研修確認
・ 利用契約・支援計画のテンプレート最終調整
・ 加算届・工賃向上計画の準備
・ 消防・衛生関連の点検更新スケジュール確認

< 行政書士の視点>
「指定=スタート」、ここから、“運営の制度管理”が始まります。

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2025年11月05日 12:22

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑭>指定申請書類の全体像<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型の指定申請と聞くと、多くの方がこう言います。
「いや〜、書類の量がハンパないですね……!」はい、正解です(笑)。
確かに量は多いですが、構造を理解すれば怖くありません。

“書類の森”にも、ちゃんと道順があります。
 

 ① 書類は大きく4つのグループに分かれる

B型の指定申請書類は、主に次の4ジャンルに整理できます。

区分 内容
法人関係 登記簿・定款・資金・役員名簿など
建物関係 平面図・避難経路図・建築関係資料
人員関係 管理者・サビ管・職員の資格証など
運営関係 運営規程・契約書・業務管理体制

 ② 法人関係書類 

行政が最初にチェックするのが法人そのものの信頼性です。

書類名 内容・注意点
定款 目的に「就労継続支援B型事業」が入っているか
登記簿謄本 代表者・所在地が最新になっているか
役員名簿・兼務届 兼職・親族関係を整理しておく
資金計画書 自己資金・融資・残高証明などの根拠を明記
<行政書士の視点>
“障害福祉の理念”ではなく、“法人としての体力”を問われる書類群です。

 ③ 建物関係書類 

B型事業では「人が集まる建物=安全が最優先」、ここを疎かにすると、必ず差し戻されます。

書類名 内容・注意点
平面図・立面図 建築士作成が望ましい。面積と用途を明記。
避難経路図 出入口・避難方向・消火器の位置を明示。
消防署への届出控え 消防設備点検・防火対象物使用開始届など。
建物の賃貸契約書 名義・期間・使用目的が一致しているか。

< 行政書士の視点>
“図面は申請の顔”、写真やCAD図面を添付して“見てわかる”書類にしておくと、審査が早くなります。

 ④ 人員関係書類 

B型事業所の申請で一番間違いが多いのがこの部分です。
「配置人数」と「資格要件」を正確にそろえる必要があります。

職種 添付書類 注意点
管理者 経歴書・雇用契約書 常勤・兼務制限に注意
サービス管理責任者 研修修了証・実務経験証明 “実務証明”は役所指定様式が多い
職業指導員・生活支援員 資格証・経歴書 常勤換算に注意

 ⑤ 運営関係書類 

ここはまさに、行政書士の腕の見せどころです。

書類名 内容
運営規程 いわば“事業所の憲法”、利用者対応・職員配置などを明文化。
業務管理体制整備書 コンプライアンス体制を明記、外部委託でもOK。
重要事項説明書 利用契約時の説明資料、料金・支援内容を明示。
利用契約書 利用者・家族との契約ひな形、必須項目を漏らさない。
< 行政書士の視点>
行政が一番読むのは“運営規程”です。
文章は長くてもOK、“自分たちの支援の形”が伝わることが大切です。

⑥書類づくりで時間がかかる書類

順位 書類名
① 運営規程 条文形式で長い、文言確認に時間がかかる。
② 実務経験証明書 前職法人との調整が必要。
平面図 建築士・消防との調整で修正が多い。

<行政書士の視点>
“提出締切の3週間前”には完成している状態が理想です。修正や差し戻しを見越して、動かなければなりません。

次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑮>現地確認と指定通知<~行政書士が解説~>

2025年11月05日 11:17

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑬>指定までの流れ<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

「指定申請って、いつ何をすればいいんですか?」B型事業のご相談されることがあります。

正直に言うと・・・
“動く順番”を間違えると、書類が何倍にも増えます。

そこで今回は、開設準備から指定通知までの全体像を“5つの段階”で見ていきます。

 第1段階|構想と立地の確認

B型事業は、どこでも開設できるわけではありません。

最初に確認すべきはこの3点です。

確認項目 関連法令 行うこと
土地の用途 都市計画法 市街化区域・調整区域の確認
建物の用途 建築基準法 用途変更が必要か確認
安全設備 消防法 消火器・避難経路の基準確認

< 行政書士の視点>
“空いてる建物”より、“使える建物”です。
この段階で建築士や消防署に相談しておくと後が楽です。

 第2段階|事前協議(申請前のすり合わせ)

立地と法人の概要が整ったら、次に行うのが「事前協議」。

行政の担当課と、
・立地・建物の基準
・職員体制(予定)
・事業計画の概要
を共有します。

<行政書士の視点>
“申請書の下書き”のような場です。
この段階で方向がズレていると、正式申請で止まります。

 第3段階|指定申請書の作成・提出

事前協議が終わると、いよいよ書類作成です。
この段階がもっとも時間がかかります。

書類の区分 主な内容
法人関係 登記簿・定款・資金計画書
建物関係 平面図・避難経路図・写真
人員関係 資格証・経歴書・雇用契約書
運営関係 運営規程・就業規則・業務管理体制

提出は「開設予定日の概ね2か月前」が目安です。
(自治体によっては3か月前締切もあります)

<行政書士の視点>
提出直前に慌てないために、“書類を集める人”と“まとめる人”を分けておくのがコツです。

第4段階|現地確認(実地検査)

書類が整うと、次は現地確認になります。
行政職員が実際に事業所を訪れ、設備や掲示を確認します。

チェック内容 具体例
建物設備 面積・避難経路・トイレのバリアフリー
掲示物 運営規程・重要事項説明書
書類 職員体制表・利用契約書の雛形
安全体制 消防設備・避難訓練計画の有無

< 行政書士の視点>
現地確認の日は“完成発表会”。
利用者がいなくても、「運営準備が整っているか」を見られます。

 第5段階|指定通知・開設準備

すべての確認が終わると、行政から「指定通知書」が交付されます。
通知日=「指定の有効日」となり、そこから正式にB型事業所としてスタートできます。
ただし、ここで終わりではありません。
・給付費請求システムの登録
・初回モニタリング準備
など、運営開始の準備が続きます。

< 行政書士の視点>
「指定通知=開業OK」の合図です。
でも、スタートダッシュの準備は通知前から始まっています。

スケジュールまとめ(一般的な流れ)

段階 時期の目安 主な内容
第1段階 開設の4〜6か月前 立地調査・法人整備
第2段階 開設の3〜4か月前 事前協議・方向性確認
第3段階 開設の2〜3か月前 指定申請書類提出
第4段階 開設の1か月前 現地確認・修正対応
第5段階 開設当月 指定通知・事業開始

< 行政書士の視点>
「半年前から動く法人」と「2か月前に慌てる法人」、結果の差は“準備開始のタイミング”で決まります。

次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑭>指定申請書類の全体像<~行政書士が解説~>

2025年11月05日 10:54

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑫>指定申請とは何か?<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型事業所を始めるとき、最初に出てくる言葉が 「指定申請」です。
「あぁ、役所に“許可”をもらうやつね?」……実は、それ、ちょっと違うんです。

 

B型事業は「許可」ではなく、“指定”になるんです。
この違いが、障害福祉事業の根っこにある考え方を物語っています。

 ① “許可”と“指定”は似て非なるもの

たとえば
建設業や飲食店を始めるときは「許可」や「免許」が必要ですよね。
これは、国や自治体が 「やっていいよ」と個人に許す 仕組みです。

一方、B型事業の「指定」は、
行政が “この法人にサービス提供を任せます”と、“公的なパートナーとして認める” 仕組みです。

つまり、
「あなたがやってもいい」ではなく、「あなたにお願いしたい」という関係です。

< 行政書士の視点>
福祉サービスは「行政が提供できないものを法人が担う」仕組みです。
だから、行政は“お願いする相手”を選ぶために“指定”を行うのです。

 ② 指定を出すのは“都道府県 or 市町村”

B型事業を指定するのは、厚生労働省ではありません。
現場を見て判断できるよう、地域の行政機関が指定権を持っています。

地域区分 指定権者 相談・窓口
仙台市などの政令指定都市 市が指定 各区障害福祉課など
その他の地域(宮城県など) 県が指定 県障害福祉課

③ 指定を受けると「福祉サービス事業者」になる

指定を受けた法人は、行政と“契約”関係に入ります。
つまり、事業所は 「国や自治体の代わりに福祉サービスを行う立場」です

ここが、一般企業との大きな違いです。

一般企業 B型事業所
自由に営業できる 行政が定めた基準に沿って運営する
価格を自分で決める 報酬(給付費)は国が決める
自由なサービス提供 契約・支援記録・報告が義務

<行政書士の視点>
指定を受けた瞬間から、“制度の一部”としての責任が生まれます。
いわば、「公とつながる民間事業者」になるのです。

④ 指定には“有効期限”がある

一度指定を受けたら永久に続くわけではありません。
B型事業の指定は 6年ごとに更新 が必要です。

これは、
「制度の見直し」や「事業の質の維持」を目的としたチェック機能です。

<行政書士の視点>
“一度取れば終わり”ではなく、“続ける力”が求められます。指定はゴールではなく、「スタートライン」です。

 ⑤ 「指定申請」は“信頼を形にする手続き”

指定申請とは、「書類をそろえて提出すること」ではなく、“行政との信頼を文書で証明する作業” です。

・法人としての体制
・建物の安全性
・職員の資格・配置
・利用者への支援内容
すべてを「書面で説明できるか」がポイントになります。


次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑬>指定までの流れ<~行政書士が解説~>

2025年11月05日 10:23

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑪>なぜ“事前協議”が必要?<~行政書士が解説~>

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こんにちは、行政書士の大場です。

就労継続支援B型事業所を立ち上げようとするとき、まず最初に出てくる壁が、「事前協議」です。
「書類を作ってから申請すればいいんですよね?」と思われる方が多いのですが、実はそれでは通りません。

B型事業の指定手続きは、“申請前に行政と相談する”ことが前提ルールになっています。

 ① 「事前協議」とは

「事前協議」は、事業の構想段階で行政に内容を確認してもらう制度です。
形式的には「相談」ですが、実際には“一次審査”に近い内容です。
行政はこの段階で
・建物が使えるか(用途・面積・安全性)
・人員がそろう見込みがあるか
・法人として責任を果たせるか
・事業内容に現実味があるかを確認します。

< 行政書士の視点>
事前協議で“OKライン”を出してもらわないと、指定申請を受け付けてもらえないことも珍しくありません。

 ② 「建物を借りたあとでNG」にならないために

実は、この事前協議の仕組みは「失敗する開設」を減らすために作られています。

たとえば、こんなケース
「空き店舗を借りたけど、あとで障害福祉施設では使えないことがわかった」、「サビ管を確保してから相談したら、配置基準が違っていた」

<行政書士の視点>
事前協議は、“ブレーキ”ではなく“予防線”です。
動き出す前に確認することで、後戻りを防ぐ仕組みです。

 ③ 「書類審査」ではなく「対話の場」

行政とやりとりをしていると、つい「書類で通す」という意識になりがちです。
でも、事前協議は“話して決める”場です。
といった、現場を踏まえたアドバイスがもらえます。

④ 「自治体によって違う」

事前協議は全国共通のルールではありますが、実施方法や時期は自治体ごとに異なります。

自治体 特徴
県型(例:宮城県) 県障害福祉課で一括協議、資料が多い傾向
指定都市型(例:仙台市) 市単独で実施、日程が混みやすい
中核市型 事前に担当課へ「協議予約」が必要な場合も

< 行政書士の視点>
「○○市はこの書式で出してください」「○○町では別紙が必要です」こんな細かい違いがあるため、最初の問い合わせが早いほど有利です。

 ⑤ “確認”ではなく“信頼づくり”

事前協議は単なるチェックではありません。
行政との最初のやり取りが、この先1年以上続く「運営上の信頼関係」の始まりです。

次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑫>指定申請とは何か?<~行政書士が解説~>

 

2025年11月05日 01:35

<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑩>法人運営の体制整備 <~行政書士が解説~>

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こんにちは。行政書士の大場です。

就労継続支援B型の開設準備を進めていると、「法人を作ること自体がゴール」だと感じている方も少なくありません。
でも実際には、“作ったあと”が本番です。
 
法人は“できた瞬間”から、責任と管理が始まります。
たとえるなら、法人を作るのは「車を買う」までの話、運営はその車を安全に“走らせ続ける”ことです。
ガソリン(資金)、運転手(代表)、整備士(会計)、ナビ(サビ管)がそろって、ようやく動き出します。

 ① 「責任の所在」が見える化

就労継続支援B型は、個人事業ではなく法人単位で指定を受ける仕組みです。
だからこそ、行政が見るのは「体制」と「責任の分担」です。

役職 役割イメージ 一言でいうと
代表者 運転手 行き先を決める人
理事・取締役 ナビゲーター 方向を確認する人
管理者・サビ管 メカニック エンジンを回す人
会計担当 燃料係 ガソリン(お金)を管理する人

< 行政書士の視点>
「誰が何を決めて、どう責任を取るのか」これが明確な法人ほど、行政からの信頼が厚くなります。

 ② 兼務について

同じ法人の中で代表が管理者を兼ねるのはOKですが、別法人の代表や理事も兼ねていると、行政からはこう見られます。
「二台の車を同時に運転していませんか?」兼務自体が悪いわけではありません。問題は、「どの法人で何をしているのか」が曖昧になることです。

 ③ 会計について

B型事業所のの会計で一番大切なのは、お金の流れが見えることです。
大事なのは、聞かれたときにスッと答えられることです。
チェック項目 ポイント
通帳 事業所ごとに分けておく
領収書 日付・金額・用途を必ずメモ
会計ソフト 月次で収支をまとめる
責任者 会計担当を明確に決めておく

④会議と議事録について

どんなに良い話し合いをしても、記録が残っていなければ「やっていない」と見なされます。
行政の立場から見ると議事録に“書かれていないこと=存在しないこと”になります。
取り組み 実務のコツ
月1回の運営会議 出席者と日付を必ず書く
議事録 署名欄を忘れずに

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2025年11月05日 00:24