<行政書士が解説・就労型のB型事業所⑤>販路を広げる
“いいモノ”をつくることと、“売れる仕組み”をつくることは、まったく別の課題なんですよね。
「営業」は特別なことではなく、つながりづくり
「営業」と聞くと、ちょっと身構えてしまうかもしれません。
でも、就労型B型事業所における営業は、“地域と関わるきっかけづくり”です。
これらすべてが“営業”です。
「うちの利用者さん、こんなことができます!」という“紹介の気持ち”が、最初の一歩です。
企業との連携で“しごと”が育つ
最近では、地域企業とコラボして新しい仕事を生み出しているB型事業所も増えています。
・農家と提携して野菜の袋詰め・出荷補助
・カフェと連携してクッキーやコーヒー豆を納品
どれも特別な取引ではなく、“地域の一員としての協働”です。
企業にとっても「社会貢献」や「地域との関わり」になるため、お互いにメリットがある関係が築けます。
“商品”ではなく“物語”を売る
成功しているB型事業所の共通点を見ていると、ただモノを売っているのではなく、“ストーリー”を伝えています。
「この名刺は、障がいのある方が丁寧にカットし、袋詰めしました。」
「このクッキーのパッケージは、利用者さんが描いたイラストです。」
買う人は、その“背景”に心を動かされます。
“誰が、どんな思いで作っているのか”これを伝えることが、いちばんの営業になります。
“売る”を仕組みに変える工夫
販路拡大のために、事業所が取り入れている工夫をいくつか紹介します。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| 委託販売 | 地元の雑貨店・カフェ・道の駅に置いてもらう |
| 定期便・ギフト | 季節の詰め合わせセットを作って販売 |
| 企業向けギフト | 名刺・封筒・社内配布品をB型が制作 |
| SNS販売 | Instagramで紹介・販売する |
| CSR連携 | 企業の社会貢献活動(CSR)として受注する |
こうして「販売の仕組み」を複数持つことで、売上が季節やイベントに左右されにくくなります。
“顔の見える関係”が長く続く
営業のコツは、“顔を合わせること”が一番、信頼されやすいです。
取引先を訪問してお礼を言う、納品時に「いつもありがとうございます」と声をかける。
たったそれだけでも、関係はぐっと深まります。
「この事業所なら安心してお願いできる」と思ってもらえれば、それがいちばんの営業成功です。
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