<行政書士が解説・居場所型のB型事業所④>工賃が低くても意味がある
こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型のことを調べていると、よく出てくるキーワードのひとつが「工賃向上」です。
たしかに、利用者さんの頑張りを形にするうえで、工賃はとても大切です。
でも、最近は「工賃が低い=ダメな事業所」という誤解も少なくありません。
実際には、工賃の数字だけでは測れない“支援の価値”があります。
「働く支援」だけではないB型の役割
B型事業所には、作業を通して工賃を得る「就労支援型」と、日中活動や社会参加を中心にした「居場所型」の両方があります。
どちらも制度上の「B型」ですが、目的が少し違います。
居場所型の利用者さんの中には、長く家にこもっていた人や、体調に波がある人も多く、“まず通うこと”自体が大きなステップです。
工賃が低くても「成果」はある
「工賃アップ=目的」ではなく「結果」
工賃向上はゴールではなく、支援の積み重ねの“結果”です。
たとえば
“その人のペースで働く力を取り戻す”ための支援です。
行政書類での伝え方の工夫
工賃が低い場合は、工賃向上計画書や自己評価の中で、次のように説明すると伝わりやすいです。
「本事業所は、日中活動・社会参加を重視し、通所継続を第一の支援目標としている。利用者の安定した生活基盤づくりを通じて、将来的な就労・工賃向上を目指す。」
このように書くことで、行政に対して「今は工賃よりも支援の基礎づくりをしている」という意図が伝わります。
次回のブログはコチラ⇒<行政書士が解説・居場所型のB型事業所⑤>現場の実践を調べてみて感じたこと