第3回<新規開設者向けブログ講座:開設編>法人要件と定款が最初の関門になる
こんにちは、行政書士の大場です。
前回は、就労継続支援B型の新規開設はスケジュールを逆算して進めなければ、途中で止まってしまうというお話をしました。
前回のブログはコチラ⇒第2回<新規開設者向けブログ講座:新規開設・実務編>開設までの全体スケジュール
実務上、最初に止まりやすいポイントがいくつかありますが、その中でも非常に多いのが法人要件と定款の問題です。
今回は、「なぜ法人でなければならないのか」、「なぜ定款で止まるのか」を整理していきます。
就労継続支援B型は「法人」しか運営できない
就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく指定障害福祉サービスです。
この法律では、障害福祉サービスの提供主体は法人であることが前提とされています。
つまり、
・個人事業主
・任意団体
では、B型事業所を開設・運営することはできません。
これは、「責任の所在を明確にする」、「継続的なサービス提供を担保する」ための制度的な考え方です。
法人であれば「何でもよい」わけではない
「法人ならOK」と思われがちですが、実務ではそう単純ではありません。
重要なのは、法人の目的(定款)に何が書かれているかです。
指定申請では
・この法人は
・この事業を
・この法律に基づいて行う
という点が、定款から読み取れる必要があります。
定款目的に必要な考え方
就労継続支援B型を行う場合、定款には一般的に次のような趣旨の文言が求められます。
・障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業
・就労継続支援事業
・これらに附帯または関連する事業
ポイントは、単に「福祉事業」や「支援事業」と書いてあればよいわけではないという点です。
指定権者は、「この法人は、障害者総合支援法に基づく事業を正式に行う意思と体制があるか」を、定款から確認しています。
開設直前で定款修正が必要になるケース
実務でよくあるのが、次のようなケースです。
・法人はすでにある
・物件も決まりかけている
・人員も目途が立っている
しかし、定款目的に必要な文言が入っていない
この場合、指定申請を進めることができません。
結果として、
・定款変更
・株主総会(社員総会)決議
・登記変更
といった手続きが必要になり、スケジュールが大きくずれます。
既存法人を使う場合の注意点
既存の法人でB型事業を始める場合、次の点も確認が必要です。
・他事業との関係性
・目的条文が広すぎないか
・福祉事業として位置づけられているか
特に、全く別業種の法人で始める場合は、「後付け」に見えない整理が重要になります。
なぜここまで厳密に見られるのか
行政が法人・定款を重視するのは、
・一時的な事業参入を防ぐ
・制度趣旨を理解しているかを確認する
・長期的な運営が見込めるかを見る
といった理由があるからです。
2025年12月28日 23:59