就労継続支援B型の報酬と収支構造
就労継続支援B型事業を開設・運営することは、障害福祉サービスであると同時に、ひとつの「事業運営」でもあります。「指定を取ること」「開所すること」がゴールではなく、安定して運営を継続できるかどうかが、事業として最も重要なポイントです。
そのためには、報酬制度を正しく理解し、収益を確保しながら無理のないコスト構造を設計する必要があります。
本ページでは
を、わかりやすく整理していきます。
就労継続支援B型における収支構造の全体像
まず、就労継続支援B型の収支は、次の式で整理できます。
利益(事業として残るお金)=〔障害福祉サービスの報酬〕+〔生産活動による売上〕-〔事業運営に必要な経費〕障害福祉サービスの報酬は、さらに細かく見ると(基本報酬+加算-減算)× 地域単価 × 利用者数 × 利用日数という仕組みで算定されます。
このため、「単価 × 人数 × 日数」という考え方を理解することが、B型事業の収支を読み解く第一歩になります。
障害福祉サービスとしての報酬の仕組み
<基本報酬の考え方>
就労継続支援B型の基本報酬には、主に次の2つの考え方があります。
(就労継続支援B型サービス費Ⅰ~Ⅲ)
(就労継続支援B型サービス費Ⅳ~Ⅵ)
どちらの体系を選ぶかによって、求められる運営方針や、力を入れるポイントが変わってきます。
職員配置と報酬単位の関係
さらに、基本報酬は 職員配置基準 によっても異なります。
利用者に対して手厚い配置ほど、1日あたりの報酬単位は高くなります。
ただしその分、人件費も増えるため、「報酬単位が高い=必ず儲かる」わけではありません。
【仙台市・宮城県】地域単価の考え方
障害福祉サービスの報酬は、全国一律ではありません。
1単位あたりの金額は「地域区分(地域単価)」によって決まります。
仙台市および多くの宮城県内市町村は、6級地(1単位=10.34円) に該当します。
同じ「600単位」でも、地域単価が異なれば、最終的な金額は大きく変わります。
この点は、事業計画を立てる際に必ず押さえておく必要があります。
就労継続支援B型における収益の計算例【仙台市版】
<想定条件(モデルケース)>
※加算・減算は簡略化のため考慮しないものとします。
<障害福祉サービス報酬の計算>
⇒614単位 × 10.34円 = 約6,349円
⇒6,349円 × 16名 × 20日= 約2,031,600円/月
生産活動による売上の考え方
※生産活動収入は、「売上-必要経費=工賃」となるため、福祉報酬とは別管理が必要です。
月間収益の合計(モデル)
収益合計:約2,331,600円/月
就労継続支援B型における費用の一例
<人件費(例)>
人件費合計:約1,250,000円/月
<運営管理費(例)>
運営管理費合計:約600,000円/月
利益の算定(モデルケース)
月間利益:約481,600円
年額換算:約5,780,000円
利益を生み出すための運営戦略(重要)
就労継続支援B型で利益を生み出すためのポイントは、「無理な拡大」ではなく、構造を理解した運営です。
① 稼働率を安定させる
定員があっても、利用者が来なければ売上は立ちません。
80%と90%では、年間で数百万円の差が出ます。
② 加算を確実に取り、減算を防ぐ
加算は「取れたらラッキー」ではなく、設計して取りに行くものです。
一方、減算は「知らないうちに発生する」ことが多く、運営体制の精度が問われます。
③ 職員配置と業務設計の最適化
配置基準を満たすだけでなく、実際の業務負担・シフト・稼働を見ながら調整することが重要です。
④ 生産活動は“利益”より“報酬への影響”も意識
生産活動は単体で儲からなくても、平均工賃月額や事業評価に影響するケースがあります。「何のために行う生産活動か」を明確に設計することが重要です。
福祉で利益を考えてよいのか?
「障害福祉で儲けを考えてよいのか」と悩まれる方も少なくありません。
しかし、事業が赤字になれば、利用者への支援も、職員の雇用も守れません。
利益を意識した運営は、福祉の質を下げることではなく、福祉を続けるために不可欠な視点です。
就労継続支援B型は“設計力”で差が出る
就労継続支援B型事業は
これらをどう組み合わせ、設計するかで、安定運営か、苦しい運営かが大きく分かれます。
就労継続支援B型の開設・運営サポート【仙台市・宮城県】
当事務所では、仙台市・宮城県に特化した就労継続支援B型の開設・運営サポートを行っています。
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