第6回<新規開設者向けブログ講座:開設準備編>B型の収支計画、だいたい最初は思った通りにいきません。
こんにちは、行政書士の大場です。
新規開設の相談をしていると、あるタイミングで、ほぼ必ず出てくる話があります。
それが「収支って、実際どうなりますか?」
という質問です。
そして、かなりの確率で、続けてこんな言葉が出てきます。
「やっぱり、最初から黒字じゃないと厳しいですよね?」
これまで私が実際に見たり、話を聞いたりしてきた中で感じるのは、最初から計画通り、思った通りに進む就労継続支援B型事業は、正直あまり多くないということです。
収支計画は、だいたい“きれいすぎる”
収支計画の表を見せてもらうと、本当にきれいなんです。
例えば
・定員20名
・稼働率80%
・毎日安定して通所
・生産活動も順調
数字だけ見ると、「これはうまくいきそうだな」と思います。
ただ、心の中ではこう思っています。
「これ、現場で起きたこと一切入ってないな…」
利用者さん、毎日来ると思ってませんか?
開設前の計画あるあるですが、「月20日利用」、「ほぼ毎日来てもらう想定」これ、だいたい最初は外れます。
・体調が悪い日
・気分が乗らない日
・生活リズムが整っていない日
就労継続支援B型ですから、こういう日は普通にあります。
来ない日がある前提で考えないと、数字が一気にズレます。
売上より先に出ていくお金の話
もう一つ、よくある勘違い。
「利用者が少なければ、出費も少ないですよね?」
…いいえ。
・家賃は毎月同じ
・職員の給料も毎月同じ
・光熱費も地味にかかる
利用者が5人でも、15人でも、固定費はちゃんと飛んでいきます。
ここで初めて、「思ったよりお金減るの早いな…」となります。
生産活動の売上、最初から期待しすぎない
これもよく聞きます。
「生産活動で月○万円くらいはいけますよね?」正直に言うと、最初は“いけない前提”で考えた方が安全です。
理由はシンプルで
・作業が安定しない
・教えるのに時間がかかる
・納期や品質が読めない
最初は「練習期間」みたいなものです。
いきなり売上を当てにすると、だいたい後で苦しくなります。
開設初年度は、だいたい“ドタバタ”
実際に話を聞いていると、開設初年度はこんな感じが多いです。
・思ったより利用者が集まらない
・職員が疲れてくる
・生産活動も試行錯誤
・書類が地味に多い
この状態で、「最初から利益出さなきゃ」は、正直しんどいです。
大事なのは「耐えられるかどうか」
ここで一つ、収支計画を考えるときの質問を変えてみてください。
「どれくらい儲かるか?」ではなく「どれくらい耐えられるか?」です。
・利用者が少なくても回るか
・売上が出なくても半年持つか
・何かあっても立て直せるか
この視点で作った計画の方が、結果的に長く続きます。
黒字は、あとからついてきます。
実際に多いのは
・1年目:正直ギリギリ
・2年目:少し落ち着く
・3年目:やっと余裕が出る
というパターン。最初から完璧じゃなくていいです。
就労継続支援B型の開設初年度は、
・うまくいかないことがある
・想定外が起きる
それが普通です。
初年度の収支計画で最低限考えておきたいこと
細かい数字の前に、まずは次のような点を整理しておくことが大切です。
・利用者が想定の半分でも回るか
・人件費が一番重いことを理解しているか
・生産活動の売上は控えめに見ているか
・加算が取れない前提でも成り立つか
「うまくいったらこうなる」ではなく、「うまくいかなかった場合でもどうなるか」を一度、冷静に考えてみてください。
このくらいで、ちょうどいいと思います。
次回のブログはコチラ⇒第7回<新規開設者向けブログ講座:新規開設・実務編>生産活動は「後から考える」ものではない
2025年12月29日 01:44