第1回<新規開設者向けブログ講座:開設準備編>新規開設は「思いつき」では始められない
こんにちは、行政書士の大場です。
前回はは、就労継続支援B型について制度の全体像やガイドラインの考え方を整理してきました。
今回から「実際に新規開設する場合、何が必要で、どこでつまずくのか」という実務の話に入っていきます。
まず最初にお伝えしたいのは、就労継続支援B型の開設は、思いつきでは進められないという点です。
B型事業は「福祉」でもあり「事業」でもある
就労継続支援B型は、障害のある方の就労を支援する福祉サービスです。
一方で、指定を受けて報酬を受け取り、人件費や家賃などのコストを支払いながら運営するれっきとした「事業」でもあります。
そのため、
・想いがある
・社会貢献がしたい
・地域に必要だと思う
といった理由だけでは、事業としては成り立ちません。
制度・実務・収支のすべてを整理したうえで初めて「開設できる」構造になっています。
新規開設に必要な要素の全体像
B型事業所を新規開設するためには、主に次の要素がすべてそろう必要があります。
① 法人であること
就労継続支援B型は、個人では運営できません。
法人格を有し、定款に適切な事業目的が記載されていることが前提です。
② 物件が制度に適合していること
単に「広さがある」「立地がよい」だけでは足りません。
・用途地域
・建築基準法(用途変更の要否)
・消防法上の位置づけ
これらすべてがB型事業所として適合している必要があります。
③ 人員基準を満たす体制
管理者、サービス管理責任者、職業指導員・生活支援員など、配置基準を満たす人員体制が必要です。
しかも重要なのは、書類上だけでなく、実際に運営が回る体制かどうかという点です。
④ 収支計画が現実的であること
報酬単価、地域区分、稼働率を踏まえた現実的な収支計画がなければ、開設後すぐに苦しくなります。
「開設できるか」ではなく「続けられるか」という視点が欠かせません。
⑤ 生産活動の内容が整理されていること
生産活動は、開設後に考えればよいものではありません。
指定申請の段階で
・どんな作業を行うのか
・利用者がどう関わるのか
・就労支援としてどう位置づけるのか
を説明できる必要があります。
⑥ 行政との事前相談
仙台市・宮城県では、事前相談をどれだけ丁寧に行っているかがその後の進み方を大きく左右します。
いきなり申請書を出す、という進め方はほぼ確実に止まります。
「どれか一つ欠けると止まる」構造
就労継続支援B型の新規開設は、
・法人
・物件
・人員
・収支
・生産活動
・行政対応
このどれか一つでも欠けると、途中で必ず止まります。
しかも、止まるタイミングは 契約後・採用後 であることも多く、取り返しがつかなくなるケースも少なくありません。
だからこそ「全体像」から考える
新規開設で最も大切なのは、最初に全体像を把握することです。
・何から手を付けるべきか
・何を後回しにしてはいけないか
・どこで専門家の力を借りるべきか
これを整理したうえで進めることで、無駄な遠回りや大きな失敗を防ぐことができます。
次回ブログはコチラ⇒第2回<新規開設者向けブログ講座:新規開設・実務編>開設までの全体スケジュール
2025年12月28日 22:46