第10回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>制度理解がすべての土台になる
こんにちは、行政書士の大場です。
ここまで全9回にわたり、就労継続支援B型について「制度の全体像」「ガイドラインの考え方」、そして現場で感じる違和感や、実際に起こりがちなトラブルについて整理してきました。
振り返ってみると、話題は 成果・生産活動・工賃・事業設計・行政対応 と多岐にわたっていますが、そのすべてに共通しているものがあります。それが、「制度をどこまで理解して運営しているか」という点です。
制度理解がないままの運営は、必ずどこかで歪む
制度理解が浅いまま運営している事業所では、
・生産活動の位置づけが曖昧
・工賃が「結果」としてしか語られない
・ガイドラインや通知が“後出しのルール”に見えてしまう
・行政からの指摘が「理不尽」に感じられる
といった状態が起こりがちです。
これは、事業者の姿勢が悪いという話ではありません。
制度の前提や方向性を整理しないまま、現場だけで頑張ってしまっていることが原因であるケースを多く見てきました。
制度理解がある事業所は「説明」ができる
一方で、制度理解がある事業所には共通点があります。
それは、自分たちの運営を言葉で説明できる という点です。
・なぜこの生産活動なのか
・なぜこの工賃水準なのか
・なぜこの人員体制なのか
・なぜ一般就労にすぐつながらないのか
これらを、「制度上問題ないから」ではなく、就労支援としての考え方として説明できます。
この違いが、運営指導・実地指導・監査の場面で、大きな差となって表れます。
ガイドラインは「縛るため」ではなく「方向を示すため」
令和7年11月に示されたガイドラインでは、就労継続支援B型を
・「居場所」ではなく
・「就労の場」としてどう位置づけるか
という国の考え方が、より明確になりました。
これは、「成果を出せ」「一般就労させろ」という話ではありません。
・就労支援として、何を意図しているのか
・どのような関わりを行っているのか
を 説明できる運営が求められている ということです。
制度理解とは
制度理解とは
・なぜこの制度があるのか
・国は何を問題としてきたのか
・今、どの方向に進もうとしているのか
こうした背景を踏まえて、自分たちの事業をどう設計するかを考えることそれ自体が制度理解です。
すべての土台は「制度理解」
生産活動の設計も、収支計画も、工賃の考え方も、加算の活用も、行政との関係づくりも、すべての土台にあるのは、制度理解です。
ここが曖昧なままでは、どれだけ頑張っても不安が消えることはありません。
最後に
この第10回で、第1章|制度理解編】は一区切りとなります。
2025年12月28日 19:52