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第6回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>B型支援に関わり始めた頃、私が覚えた「違和感」

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こんにちは、行政書士の大場です。

私が就労継続支援B型のサポートに本格的に関わり始めた当初、既存の事業所の方々からお話を伺う中で、ある違和感を覚えることがありました。それは、就労継続支援B型という制度そのものではなく、制度の受け止め方・運営の考え方についてです。
 

サポート初期に感じた、素朴な疑問

当時、私は障害福祉の制度には、まだ詳しくはなく勉強のため現場の支援者の方へ制度について質問したことがありました。そして次のような考え方に触れることがありました。

・一般就労が難しい方が対象なのだから、結果は問われないのではないか
・工賃は低く抑えていても、制度上は問題にならないのではないか
・利用者さんが自由に過ごせていれば、それで良いのではないか

これらは、現場の実情を踏まえると、決して突飛な考え方ではありません。

実際、就労継続支援B型は、一般就労を前提とした制度ではなく、成果を数字だけで測れる制度でもありません。
ただ一方で、私は次の点に引っかかりを覚えました。

生産活動が「就労」になっていないのではないか

違和感の一つは、生産活動が、就労支援として語られていないことでした。

・何を作っているのか
・なぜその作業なのか
・利用者はどのように関わっているのか

これらについて、「特に意味づけはしていない」「自由にやってもらっている」という説明がされる場面もありました。

もちろん、利用者の状態に配慮し、無理をさせないことは大切です。

しかし、「就労の機会を提供する制度」である以上、生産活動が“就労としてどう位置づけられているのか”が語られないことに、違和感を覚えました。

工賃が低いこと自体より、説明がないことへの違和感

もう一つの違和感は、工賃についてです。
制度上、工賃が低いこと自体が直ちに問題になるわけではありません。
ただし、
・なぜこの工賃水準なのか
・生産活動との関係はどうなっているのか
・改善に向けた検討は行われているのか

こうした点が、ほとんど語られていない違和感もありました。

ここで感じたのは、 工賃が低いことそのものではなく、「考えられていない工賃」になっていないかという点です。

「B型は成果を意識しなくてよい」という理解への疑問

これらの話を総合すると、背景には次のような考え方があるように感じました。
B型は成果を求められる制度ではないだから、厳しく考えなくてもよい

確かに、就労継続支援B型は、

・就労移行支援
・就労継続支援A型

とは異なり、一般就労を直接のゴールとする制度ではありません。

そのため、

・就職できない=問題
・工賃が上がらない=失敗

という制度ではありません。

しかし同時に、 「成果をまったく意識しなくてよい制度」ではないのではないかという疑問が、私の中に残りました。

ガイドラインが示しているB型の位置づけ

その後、ガイドラインや制度改正の動きを追っていく中で、この違和感は、徐々に整理されていきました。
現在のガイドラインでは、就労継続支援B型について、
・居場所ではなく
・就労の機会を提供する場

という位置づけが、より明確に示されています。

生産活動についても、
・就労として説明できること
・利用者がどう関わっているか
・工賃との関係が整理されているか

が求められています。

つまり、「緩さ」そのものが問題なのではなく、就労支援として説明できないことが問題だということです。

一般就労は「結果」ではなく「視点」として問われる

同様に、一般就労についても誤解が生じやすい点があります。
B型は、一般就労を前提とする制度ではありません。
しかし
・利用者の意向をどう捉えているか
・就労の可能性をどう評価しているか
・状態の変化に応じて、他サービス(就労移行支援等)との連携を検討しているか

といった「就労に向けた視点を持っているか」は、運営の中で見られるようになっています。

一般就労できたかどうか、その結果を問われる制度ではありませんが、
就労という視点を完全に外した運営は、ガイドラインの考え方とは合わなくなってきています。

違和感の正体は「成果が語られていないこと」

振り返ると、私が当初覚えた違和感の正体は、
成果がないことではなく成果について語られていないことだったのだと思います。
・何を目指しているのか
・どんな変化を支援しているのか
・就労支援として、何を積み上げているのか

これらが言語化されていない運営は、結果として「説明しづらい」「指摘を受けやすい」B型になってしまいます。

求められているのは「成果を出すこと」ではない

就労継続支援B型において求められているのは、

・無理に成果を作ること
・数字を良く見せること

ではありません。

求められているのは、 自分たちの支援が、就労支援としてどんな意味を持っているのかを説明できることです。

これは、
・運営指導
・実地指導
・今後の報酬改定(令和9年)

を見据える上でも、非常に重要な視点になります。
また、ガイドラインの趣旨を踏まえ、「居場所」ではなく「就労支援として説明できるB型」を設計・運営していくことが、これからの事業所には求められています。


次回のブログはコチラ⇒第7回<新規開所者向けブログ講座:制度理解編>B型事業は、なぜ「事業」として設計する必要があるのか

2025年12月28日 02:58

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