<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑱>帳票整備<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型事業所の運営で、日々の支援内容をどのように残すか、それが「帳票整備」の目的です。
「支援はちゃんとやってるんです」、「利用者さんも元気に通っています」それでも、帳票(記録)がなければ、行政にも、第三者にも、“支援の証拠”としては認められません。
① 帳票整備とは
<行政書士の視点>
帳票整備とは、“支援の裏づけを残す”作業です。
「やっていること」と「記録」が一致して初めて、支援と認められます。
② 帳票の基本4分類
B型事業所で必要となる帳票は、実は数十種類にのぼります。
しかし整理してみると、大きく4つのグループに分けられます。
| 分類 | 主な帳票 | 内容・目的 |
|---|---|---|
| 利用開始関係 | 利用契約書、支援計画案、個人情報同意書 | 契約・受給者証・初期面談に関する書類 |
| 日々の支援記録 | 日誌、個別支援記録、出席簿、作業記録 | 日常の訓練・活動内容の記録 |
| 会議・モニタリング関係 | 支援会議録、モニタリング記録、ケース会議録 | 支援内容の見直し・評価の記録 |
| 運営管理関係 | 勤務表、加算届控え、研修記録、工賃計算書 | 職員配置や経営体制に関する記録 |
< 行政書士の視点>
帳票の目的は“支援を見える化”することです。
「この利用者に、どんな変化があったか」が追えるかどうかがカギです。
③ 書き方のコツは「誰が読んでもわかること」
帳票の文章でよくあるのが、
たとえば
「本日、○○さんは、集中して作業できました。」だけ記載した場合、これでは“よかった”以外の情報がありません。
行政が知りたいのは、支援者がどう関わったかです。
< 記録の書き方の工夫>
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 「集中して作業できた」 | 「指導員が作業手順を再確認し、15分集中して封入作業を継続できた」 |
| 「機嫌が悪かった」 | 「朝の声かけ時に拒否反応が見られたため、休憩を促し10分後に作業再開」 |
<行政書士の視点>
「誰が見ても支援内容が伝わる文章」こそ帳票の理想形です。
感想ではなく“行動+支援+結果”をセットで書くのがコツです。
④ 帳票整備の運用ルール
帳票整備を形だけで終わらせないためには、運用ルールが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記録者 | 原則として支援を行った職員がその日のうちに記入 |
| 保管期間 | 5年間 |
| 点検 | 月1回、サビ管・管理者が抜き取り確認 |
| 修正 | 訂正線+日付+署名で対応(消しゴムはNG) |
| 共有 | 会議で記録内容をフィードバックする |
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