<就労継続支援B型事業所(新規開設編)⑭>指定申請書類の全体像<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型の指定申請と聞くと、多くの方がこう言います。
「いや〜、書類の量がハンパないですね……!」はい、正解です(笑)。
「いや〜、書類の量がハンパないですね……!」はい、正解です(笑)。
確かに量は多いですが、構造を理解すれば怖くありません。
“書類の森”にも、ちゃんと道順があります。
“書類の森”にも、ちゃんと道順があります。
① 書類は大きく4つのグループに分かれる
B型の指定申請書類は、主に次の4ジャンルに整理できます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 法人関係 | 登記簿・定款・資金・役員名簿など |
| 建物関係 | 平面図・避難経路図・建築関係資料 |
| 人員関係 | 管理者・サビ管・職員の資格証など |
| 運営関係 | 運営規程・契約書・業務管理体制 |
② 法人関係書類
行政が最初にチェックするのが法人そのものの信頼性です。
| 書類名 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 定款 | 目的に「就労継続支援B型事業」が入っているか |
| 登記簿謄本 | 代表者・所在地が最新になっているか |
| 役員名簿・兼務届 | 兼職・親族関係を整理しておく |
| 資金計画書 | 自己資金・融資・残高証明などの根拠を明記 |
<行政書士の視点>
“障害福祉の理念”ではなく、“法人としての体力”を問われる書類群です。
“障害福祉の理念”ではなく、“法人としての体力”を問われる書類群です。
③ 建物関係書類
B型事業では「人が集まる建物=安全が最優先」、ここを疎かにすると、必ず差し戻されます。
| 書類名 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 平面図・立面図 | 建築士作成が望ましい。面積と用途を明記。 |
| 避難経路図 | 出入口・避難方向・消火器の位置を明示。 |
| 消防署への届出控え | 消防設備点検・防火対象物使用開始届など。 |
| 建物の賃貸契約書 | 名義・期間・使用目的が一致しているか。 |
< 行政書士の視点>
“図面は申請の顔”、写真やCAD図面を添付して“見てわかる”書類にしておくと、審査が早くなります。
④ 人員関係書類
B型事業所の申請で一番間違いが多いのがこの部分です。
「配置人数」と「資格要件」を正確にそろえる必要があります。
| 職種 | 添付書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 管理者 | 経歴書・雇用契約書 | 常勤・兼務制限に注意 |
| サービス管理責任者 | 研修修了証・実務経験証明 | “実務証明”は役所指定様式が多い |
| 職業指導員・生活支援員 | 資格証・経歴書 | 常勤換算に注意 |
⑤ 運営関係書類
ここはまさに、行政書士の腕の見せどころです。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 運営規程 | いわば“事業所の憲法”、利用者対応・職員配置などを明文化。 |
| 業務管理体制整備書 | コンプライアンス体制を明記、外部委託でもOK。 |
| 重要事項説明書 | 利用契約時の説明資料、料金・支援内容を明示。 |
| 利用契約書 | 利用者・家族との契約ひな形、必須項目を漏らさない。 |
< 行政書士の視点>
行政が一番読むのは“運営規程”です。
文章は長くてもOK、“自分たちの支援の形”が伝わることが大切です。
行政が一番読むのは“運営規程”です。
文章は長くてもOK、“自分たちの支援の形”が伝わることが大切です。
⑥書類づくりで時間がかかる書類
| 順位 | 書類名 |
|---|---|
| ① 運営規程 | 条文形式で長い、文言確認に時間がかかる。 |
| ② 実務経験証明書 | 前職法人との調整が必要。 |
| ③ 平面図 | 建築士・消防との調整で修正が多い。 |
<行政書士の視点>
“提出締切の3週間前”には完成している状態が理想です。修正や差し戻しを見越して、動かなければなりません。
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(新規立上げ編)⑮>現地確認と指定通知<~行政書士が解説~>
2025年11月05日 11:17