<就労継続支援B型事業所(新規開設編)②>事業構想を描く<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型事業所の開設準備で、「立地調査」が終わると次に必要になるのが“どんな事業所をつくるのか”という構想づくりです。
建物が決まっても、構想が曖昧なままだと書類が書けず、行政との協議もうまく進みません。
B型事業所の成功は、立地よりも前にある「誰のために」「何を」「どう支援するか」という“考え方の設計”で決まります。
① 「構想づくり」は“設計図を書く前の設計図”
B型事業所を開設するには、指定申請書・運営規程・体制届・事業計画書など、たくさんの書類を作る必要があります。
でも実は、これらはすべて「構想」をもとに作られるものです。
構想が曖昧だと、書類もバラバラになります。
② 「誰のためのB型」かを明確にする
B型事業所には、大きく3つのタイプがあります。
| タイプ | 主な利用者像 | 特徴 |
|---|---|---|
| 居場所型 | 通所困難・高齢の障害者 | アットホーム・生活支援重視 |
| 就労志向型 | 若年層・就労移行への橋渡し | 工賃・訓練・企業連携重視 |
| 複合型(多機能) | 多様な障害・支援ニーズ | 柔軟な支援・作業バリエーション |
< 行政書士の視点>
「どんな利用者を想定するか」で、建物の広さ・職員体制・生産活動の内容まで変わります。
まず“誰のためのB型か”を決めることが、すべての出発点です。
③ 「何をするB型事業所」かを決める
利用者像が定まったら、次は「生産活動」の方向性を考えます。
「何を作るか」ではなく、「どう関わるか」がポイントです。
| 活動タイプ | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 下請け型 | 安定した受託作業、単価は低め | 封入・袋詰め・清掃など |
| 自主製品型 | 自分たちのブランド、販路が課題 | 菓子・雑貨・印刷など |
| 地域連携型 | 企業・農家・団体と連携 | 農福連携・受託販売・ノベルティ制作など |
<行政書士の視点>
「地元のどんな会社と関われるか」を意識して構想を練ると、開設後の工賃アップと安定経営に直結します。
④ 「どう支援するか」で事業の色が決まる
就労支援の現場では、“支援のやり方”がそのまま“事業所のカラー”になります。
構想段階でこれを整理しておくと、サービス管理責任者の方針・支援計画書の方向性・加算取得計画も一貫性を持たせられます。
< 行政書士の視点>
「支援理念」は事業計画書の“心臓”です。ここが言語化できている法人は、行政評価が高い傾向にあります。
⑤ 「構想」を形にする3つの書類
構想を整理したら、次の3点を文章化しておくと後がスムーズです。
2,地域ニーズメモ(近隣のB型数・作業内容など)
3,活動モデル図(生産活動・支援・工賃の関係図)
<行政書士の視点>
これらは“提出書類”ではなく“自分のための設計書”、後で運営規程や申請書を書くときに、必ず役に立ちます。
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(開設準備・指定申請<新規立上げ>)③>都市計画法・建築基準法・消防法 <~行政書士が解説~>