<就労継続支援B型事業所(開設後手続き編)⑤>職員配置の基本 <~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
令和6年度の報酬改定では、就労継続支援B型事業所の職員配置と報酬体系に関して大きな見直しがありました。
これまでのB型では、「7.5:1」「10:1」という2つの区分で報酬が設定されていましたが、今回の改定で新たに「6:1配置」が加わり、より手厚い支援体制を取る事業所に対して報酬が上乗せされる仕組みになりました。
① 「従業者配置区分」の3段階
現在の就労継続支援B型では、職業指導員+生活支援員(従業者)の配置人数に応じて、報酬単価が3段階に分かれています。
| 区分 | 配置基準(常勤換算) | 内容・特徴 |
|---|---|---|
| Ⅰ型(6:1) | 利用者6人につき1人以上 | 令和6年度改定で新設。重度利用者・個別支援中心。 |
| Ⅱ型(7.5:1) | 利用者7.5人につき1人以上 | 標準的な支援体制。多くの事業所が該当。 |
| Ⅲ型(10:1) | 利用者10人につき1人以上 | 自立度の高い利用者が多い事業所向け。報酬単価は低め。 |
<行政書士の視点>
「6:1区分」は新設区分であり、より丁寧な個別支援や重度化への対応を行う事業所に重点を置いた報酬構造です。
一方、7.5:1・10:1は従来どおり選択可能な区分として存続しています。
② 「基準配置」と「報酬区分」の違い
職員配置には、「法律で定められた最低限の配置基準」と「報酬(給付費)を決めるための配置区分」があります。
| 種類 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 指定基準(最低ライン) | 利用者20人に対して職業指導員+生活支援員の合計1人以上 | 障害者総合支援法施行規則 |
| 報酬上の区分 | 6:1/7.5:1/10:1 のいずれか | 厚労省報酬告示(令和6年改定) |
<行政書士の視点>
20:1はあくまで「指定上の最低限」であり、実際の給付費はこの6:1〜10:1のどこに属するかで決まります。
③ 区分の違いが“経営”に直結する
| 区分 | 想定される支援内容 | 報酬単価の傾向 |
|---|---|---|
| 6:1 | 重度障害者中心・個別支援・医療的ケアも含む | 高単価(新設) |
| 7.5:1 | 標準的な支援・生産活動+生活支援の両立 | 中程度 |
| 10:1 | 軽作業中心・自立支援重視 | 低単価 |
< 行政書士の視点>
「6:1型」は報酬が上がる反面、職員確保・教育コストも大きくなります。無理に上位区分を狙うよりも、自事業所の支援実態に合った区分を選ぶことが大切です。
④ 「配置」は支援の設計図
令和6年の改定で、職員配置は単なる「人数要件」から、支援の質と方向性を示す経営戦略の一部へと変わりました。
<行政書士の視点>
6:1・7.5:1・10:1――この数字は「どんな支援を行いたいか」という意思表示でもあります。
自事業所の理念と現場体制をすり合わせながら、持続可能な配置を設計していきましょう。
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