<就労継続支援B型事業所(開設後手続き編)④>契約後の管理<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
利用契約を締結したあと、「これで一安心」と思われるかもしれません。
しかし、B型事業所の契約書類は“契約した時点で終わりではなく、“継続的に管理していく”書類です。
更新・変更・記録の整合性をおろそかにすると、実地指導で思わぬ指摘を受けることもあります。
今回は、契約後に必要な管理のポイントを整理していきます。
① 契約書の「有効期間」を管理する
契約書には、必ず契約期間(通常6か月〜1年)が定められています。
この期間が過ぎると、契約は自動的に延長されるものではなく、再契約(または更新確認)が必要です。
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 受給者証の支給期間と一致しているか |
| 契約更新日 | 次回更新の時期をスケジュール管理しているか |
| 更新手続き | 契約書・重要事項説明書の再確認・署名 |
<行政書士の視点>
ExcelやGoogleカレンダーなどで、契約更新アラートを設定しておくと便利です。
② 契約内容が変わったときは「契約変更」
利用日数・通所時間・工賃・送迎範囲など、契約内容に変更があった場合は、「契約変更書」または「覚書」を取り交わします。
| 変更内容 | 対応書類 | 備考 |
|---|---|---|
| 通所日数の変更 | 契約変更書 | 利用計画書・支援記録も修正 |
| 工賃の改定 | 覚書 | 支払規程もあわせて修正 |
| 送迎範囲・時間変更 | 契約変更書 | 苦情・事故防止の観点からも重要 |
| 利用料の改定 | 新契約または覚書 | 重要事項説明書の改訂が必要な場合あり |
< 行政書士の視点>
契約変更は「文書で合意」して初めて有効です。口頭で「来月から日数を増やします」と伝えただけでは、法的な契約変更になりません。
③ 記録・契約内容・受給者証の“三点整合”
実地指導で必ず見られるのが、契約書・個別支援計画・受給者証の“三点整合”です。
| 比較項目 | よくある不整合 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| 利用日数 | 契約書と支援計画で日数が異なる | 計画変更時に契約書も確認 |
| 支給期間 | 受給者証と契約書の日付がズレている | 契約更新日を受給者証に合わせる |
| 支援内容 | 契約書では軽作業、計画では清掃など | 契約書の「支援内容」欄を具体化 |
<行政書士の視点>
「契約書は前回のまま」「支援計画だけ更新」になっているケースがあります。
常に“3つの書類が同じ方向を向いているか”を意識が大切です。
④ 退所・契約終了の取り扱い
退所や転所の際も、「契約終了届」を整えておく必要があります。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 契約終了書 | 契約終了の合意書。理由・日付・署名を明記 |
| 支給停止届(市町村へ) | 利用終了を行政へ報告 |
| 返金・工賃清算 | 利用料・工賃の最終清算を実施 |
| 記録保管 | 契約関係書類は5年間保管が原則 |
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(開設後<運営スタート期>に関して)⑤>職員配置の基本 <~行政書士が解説~>