<就労継続支援B型事業所(開設後手続き編)③>契約時の書類と説明ポイント <~行政書士が解説~>
こんにちは。行政書士の大場です。
就労継続支援B型の契約手続きは、「とりあえず書面にサインをもらう」ものではありません。
契約とは、利用者と事業所が“これからどう関わっていくか”を共有する最初の場面です。
特に、令和7年10月から始まった「就労選択支援」を経て利用を決めた方の場合、事業所への期待や不安も大きく、丁寧な説明と納得感のある契約が求められます。
① 契約時にそろえるべき書類一式
契約時には、以下の書類をセットで交付・署名するのが原則です。
| 書類名 | 内容 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| 利用契約書 | サービス内容・期間・利用料・解約条件 | 双方署名・押印(本人または代理人)必須 |
| 重要事項説明書 | 事業所の概要・運営方針・体制・苦情対応 | 「最新版」を使用すること(年度改定対応) |
| 個人情報同意書 | 情報の取り扱い・第三者提供に関する同意 | 支援記録や行政報告への利用を明記 |
| サービス利用同意書 | 支援内容・作業内容・工賃支払いの明示 | “仕事”の位置づけを正確に説明 |
| 受給者証の写し | 市町村発行のもの | 契約期間と支給期間を照合 |
| 身元保証・緊急連絡票 | 緊急時対応・家族連絡先 | 支援中の安全確保に必要 |
< 行政書士の視点>
書類は「一式」で契約を構成します。
② 契約説明のポイント ― “読む”ではなく“伝える”
契約書や重要事項説明書をただ読み上げるだけでは、理解は深まりません。
利用者・家族の理解度に合わせ、「一文ごとに意味をかみくだく」姿勢が大切です。
< 説明の工夫例>
| 内容 | 説明のしかた |
|---|---|
| 利用料 | 「1割負担」と「工賃収入」は別のものです。働いた分は工賃としてお支払いします。 |
| 支援内容 | 「あなたの“できること”を増やすための訓練です」と目的を伝える |
| 苦情対応 | 「困ったときは誰に相談すればいいか」を明確に説明する |
| 契約期間 | 「この期間が終わると、再度契約内容を見直します」と継続更新の流れを伝える |
< 行政書士の視点>
“説明責任”とは、利用者が理解・同意したことを証明できることです。
口頭説明だけでなく、「説明日・担当者・同席者」を記録しておくと安全です。
③ 「就労選択支援」から来た利用者への配慮
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 選択支援の内容 | どのような就労希望をもってB型を選んだか |
| 体験利用の感想 | 不安や困りごとが残っていないか |
| 契約への理解度 | 支援内容・工賃・日数などの理解状況を確認 |
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