<就労継続支援B型事業所(開設後手続き編)②>契約前に確認すべきこと<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
令和7年10月から、障害福祉サービスの新制度として「就労選択支援(しゅうろうせんたくしえん)」がスタートしました。
これは、これから就労系サービス(A型・B型・就労移行など)を利用したい方が、自分に合った“働く場”を選ぶための準備支援を受けられる新しい仕組みです。
つまり
これまで「直接B型に契約に来られた」利用希望者も、まず就労選択支援を経由してから利用先を決める流れに変わりつつある、ということです。今回は、この新制度を踏まえた「契約前の確認ポイント」を整理していきます。
① 契約の前に“選択支援”が入る時代へ
利用希望 → 相談支援 → 受給者証 → 事業所と契約
これから:
利用希望 → 就労選択支援 → 相談支援 → 受給者証 → 事業所と契約
このように、契約までの流れに「選択支援」というワンクッションが入りました。
<ポイント>
就労選択支援は、利用者がA型・B型・移行支援など複数の選択肢を理解し、自分に合った働き方を見つけるための支援です。事業所は“選ばれる側”として、より丁寧な説明と体験対応が求められます。
② 事業所が確認すべき3つのこと
契約前の面談・体験・説明の場で、B型事業所として特に意識したいのは次の3点です。
| 確認項目 | 内容 | 対応のヒント |
|---|---|---|
| ① 就労選択支援の利用有無 | 利用済みか、または現在利用中か | 「どのような支援を受けて、どう感じましたか?」と質問して情報を共有 |
| ② 支援計画・希望内容 | 選択支援で作成された“就労希望計画”を確認 | B型で実現できる部分・できない部分を整理 |
| ③ 支給決定予定 | 市町村での支給決定時期・種別 | 受給者証の交付日を確認し、契約日の設定を調 |
③ 契約を急がない理由
就労選択支援の導入により、市町村によっては「選択支援を経てから支給決定を行う」運用に移行しています。
受給者証が交付される前に契約してしまうと、給付費が支払われないリスクがあります。
④ 契約前の面談・体験のすすめ方
就労選択支援の導入で、契約前の体験利用の意義がより高まりました。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 面談 | 利用目的・支援ニーズ・希望作業を丁寧にヒアリング |
| 体験利用 | 実際の作業・職員・雰囲気を知ってもらう機会 |
| フィードバック | 利用者の感想・課題を確認し、契約時の説明に反映 |
< 行政書士の視点>
「体験利用同意書」「個人情報同意書」は、体験段階でも整えておいて契約時に“利用経緯の証拠資料”としても使えます。
⑤ チェックリスト(契約前の確認事項)
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 就労選択支援の利用状況 | 終了・継続中・未利用のいずれかを確認 |
| 支給決定予定日 | 市町村のスケジュールを確認 |
| 支援計画書の内容 | 利用目的とB型の支援方針が一致しているか |
| 体験利用の有無 | 期間・内容・評価を記録 |
| 契約書の準備 | 受給者証の情報に合わせて日付・内容を調整 |
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(開設後<運営スタート期>に関して)③>契約時の書類と説明ポイント <~行政書士が解説~>