<就労継続支援B型事業所(お金編)⑭>生産活動収入の会計と書類整備<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
生産活動収入は「仕事の収入」であり、同時に“帳簿に残すべき事業収益”でもあります。
障害福祉事業であっても、売上が発生する以上は「どこから、いくら入り、どう使ったか」を明確に示す必要があります。
今回は、実地指導や監査でもよく確認される「会計と書類整備」のポイントを見ていきます。
なぜ“書類整備”が重要なのか
つまり
「仕事としての証拠」を残しておくことが、経営の信頼性につながります。
実地指導で見られる主な項目
| 分野 | チェックされる内容 |
|---|---|
| 売上管理 | 売上帳、納品書、請求書、領収書の整備 |
| 経費管理 | 材料費・仕入・光熱費などの帳簿記録 |
| 工賃管理 | 工賃台帳、支払い証憑、本人署名 |
| 契約関係 | 取引契約書、覚書、見積書、取引履歴 |
| リスク管理 | 在庫管理、金銭管理、事故・トラブル記録 |
会計の基本構造
生産活動収入は、「収益事業」ではなくても、一般会計とは別に管理することが望ましいとされています。
[生産活動収入]
├ 売上収入(取引先・顧客から)
├ 経費(原材料・備品・燃料など)
└ 工賃支払い(利用者へ)
この3つの流れが“数字で一致”していることが大切です。
<行政書士の視点>
実地指導では「帳簿」と「実態」が一致しているかを確認します。
記録と現場がズレていると、“利益が利用者に正しく還元されていない”と判断されることがあります。
最低限そろえるべき帳簿と書類
| 区分 | 書類名 | 内容 |
|---|---|---|
| 売上 | 売上帳・納品書・請求書 | 取引金額・相手先・入金日を記録 |
| 経費 | 支出帳・領収書・見積書 | 材料費・光熱費・外注費など |
| 工賃 | 工賃台帳・支払い明細書 | 支給額・対象者・支払い日 |
| 契約 | 取引契約書・覚書 | 販売・委託・業務受託の条件 |
| 管理 | 在庫表・月次報告書 | 商品残数・活動成果の記録 |
「請求書」「領収書」「工賃台帳」の3点セットを常にリンクさせておくことで、数字の裏づけが明確になります。
書類整備のコツ
会計ソフトよりも、まず「紙で残すこと」が第一歩です。手書きでも、整っていれば立派な“証拠資料”です。
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所(お金に関すること)⑮>生産活動を“ブランド”にする <~行政書士が解説~>