<就労継続支援B型事業所(お金編)⑮>生産活動を“ブランド”にする <~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
生産活動は、単なる「仕事」ではありません。
利用者さんが誇りを持ち、地域の人に覚えてもらえるような“顔”のある活動こそ、これからの就労継続支援B型事業所に求められる姿です。
利用者さんが誇りを持ち、地域の人に覚えてもらえるような“顔”のある活動こそ、これからの就労継続支援B型事業所に求められる姿です。
今回は、「生産活動をどう“ブランド”として育てていくか」という視点から、経営と発信のポイントを整理します。
“ブランド”とは「信頼の積み重ね」
ブランドというと、ロゴやデザインを思い浮かべる方が多いですが、本質はそこではありません。
ブランド=信頼の記録です。
地域のお客様が「またお願いしたい」と思う、企業が「一緒に取り組みたい」と感じる、その積み重ねこそが、B型事業所のブランドになります。
“ブランド化”の第一歩は「統一感」
ブランドは「見た目」ではなく、「一貫性」から生まれます。
| 項目 | 整えるポイント |
|---|---|
| 名前・ロゴ | 活動の理念を伝えるシンプルなもの |
| 商品・サービス | 誰が見ても「B型らしさ」が伝わる内容 |
| 発信 | SNS・チラシ・HPで表現をそろえる |
| 契約・帳簿 | 外部に見せても恥ずかしくない整備 |
たとえば、印刷・菓子・農産物など分野は違っても、「この事業所の仕事は丁寧だね」と感じてもらえれば、それがブランドです。
ストーリーが価値を生む
ブランドの力は、“何を作ったか”より、“どんな思いで作ったか”に宿ります。
・印刷なら:地域企業の名刺を、利用者さんが一枚ずつ丁寧に仕上げる
・菓子なら:地元の材料で、安心・安全なおやつを届ける
・農業なら:地域の農家と協力して“福祉農園”として生産する
こうした「背景にある物語」が、地域の共感を呼びます。
ブランドを支える3つの仕組み
| 視点 | 内容 | 行政書士が関わる部分 |
|---|---|---|
| ① 信頼の仕組み | 契約・会計・法務整備 | 契約書、体制届、用途変更、食品許可など |
| ② 発信の仕組み | HP・パンフ・SNS | コンセプト文・事業紹介 |
| ③ 継続の仕組み | 職員体制・加算・計画書 | 処遇改善・工賃向上計画・運営規程の改定 |
ブランドは“見せ方”より“整え方”。制度と現場を整えることが、ブランディングの土台になります。
「地域ブランド福祉」
生産活動がブランドとして根づくと、地域の中で“なくてはならない存在”になります。
たとえば
・企業が「CSRパートナー」として協働する
・学校が「教育連携」で関わる
・行政が「地域福祉計画」の中で位置づける
これが「地域ブランド福祉」です。
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2025年11月03日 16:49