<就労継続支援B型事業所(お金編)⑪>生産活動収入とは?<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型事業所の経営を考えるうえで、「給付費」と並んで重要なのが“生産活動収入”という考え方です。
これは、制度上もしっかり位置づけられた“もうひとつの収入の柱”です。
今回は、その「生産活動収入」とはどんなお金なのか、そしてなぜ今それが注目されているのかを、行政書士の視点からわかりやすく整理してみます。
生産活動収入とは
こうした活動から得た売上金が「生産活動収入」として計上されます。
“仕事の収入”が生まれる仕組み
生産活動収入は、利用者さんの作業によって得られる「事業収益」この収益から、材料費や経費を引いた残りが工賃(利用者さんへの支払い)となります。
<仕組みイメージ>
生産活動による売上
↓
材料費・経費を差し引く
↓
残り=工賃(利用者さんへ)
この構造を理解しておくと、「なぜ工賃を上げるには“売上”が必要なのか」が見えてきます。
給付費との違い
| 項目 | 給付費収入 | 生産活動収入 |
|---|---|---|
| 性質 | 福祉サービスの報酬 | 仕事の売上 |
| 支払元 | 国・自治体 | 企業・一般顧客 |
| 安定性 | 高い(月ごとの入金) | 変動が大きい |
| 管理方法 | 請求システム(国保連) | 事業会計(売上帳) |
| 監査対象 | 実績報告・届出 | 帳簿・工賃台帳・契約書 |
<行政書士の視点>
「生産活動収入」は“商取引”の性質を持つため、契約書・見積書・納品書などの事業書類整備が求められます。
“作業”から“しごと”へ
かつてB型事業所では、「軽作業」「内職」という言葉が一般的でした。
しかし、国の方針は今・・・“多様な生産活動の推進”に移っています。
「作業」ではなく「しごと」として地域の中に参加する。
地域の企業やお客様から「ありがとう」と言われる仕事をすることが、
利用者さんの自信ややりがいにつながります。
生産活動収入の“意義”
生産活動収入は、単にお金を稼ぐためのものではありません。
それは、利用者・職員・地域の3者をつなぐ「関係性の証」です。