<就労継続支援B型事業所(お金編)⑧>加算届出と実績報告<~行政書士が解説~>
こんにちは、行政書士の大場です。
加算制度の基本を理解して、「うちでも加算を取りたい!」となったとき、最初にぶつかる壁が・・・
「書類が多すぎて、どこから手をつけていいかわからない…」という声です。
今回は、加算の届出と実績報告の流れを、行政書士の視点で整理してみます。
「加算は申請ではなく届出」
ここがまず大きなポイントです。
加算金は“申請して審査を受ける”のではなく、「要件を満たしていることを自ら届出る」制度です。
行政書士の立場から届出書とは「自分で責任をもって制度適合を宣言する書類」行政がチェックするのは“後から”です。
だからこそ、届出時点での根拠資料の整合性が命です。
届出の基本構成
加算の届出書類は、大きく3セットに分かれます。
| 区分 | 書類名 | 内容・目的 |
|---|---|---|
| ① 本体書類 | 加算届出書 | どの加算を算定するかを明示 |
| ② 添付資料 | 勤務体制表・職員資格証明・運営規程 | 要件を満たす証拠資料 |
| ③ 裏付資料 | 会議記録・計画書・報告書など | 実際の取り組みのエビデンス |
書類の整合性が取れていないと、“届出受理済み”でも後の実地指導で「不適正算定」と判断されることがあります。
実績報告のタイミング
特に「処遇改善加算」や「ベースアップ加算」は、年度ごとに「計画届」+「実績報告」が必要です。
| 時期 | 書類 | 内容 |
|---|---|---|
| 年度初め(4~6月) | 処遇改善計画書 | 今年どんな取り組みをするかを届出 |
| 年度末(翌年7月頃) | 実績報告書 | 実際にどんな改善を行ったかを報告 |
ここで提出を忘れると、翌年度に加算が取れなくなることもあります。
よくあるミス・返戻パターン
・職員体制の変更届を出していない
・資格証の有効期限切れ
・記録・会議録が未整備
・運営規程が古いまま
・計画書の日付・加算区分が不一致
「届出が受理された=支払い確定」ではありません。国保連の審査でエラーになると、“返戻(へんれい)”=支払い保留になります。
実地指導で見られるポイント
実地指導(監査)の現場では、加算関連の質問が必ず出ます。
届出と運営をつなぐのが「仕組み」
加算は、書類の“数”ではなく、運営の仕組みそのものです。
職員配置、会議、支援記録、研修…それらが日常的に整っていると、届出もスムーズで、監査にも強い事業所になります。
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