<障害者優先調達推進法とは④>調達事例と成功のポイント
こんにちは、行政書士の大場です。
これまでの回では、「障害者優先調達推進法」の目的や仕組み、そして“発注先になるための準備”についてお伝えしました。
今回は、実際に全国でどんな仕事が発注されているのか?
宮城県をはじめとする自治体の事例を紹介しながら、成功しているB型事業所の共通点を見ていきます。
全国で広がる「行政からの発注」
この法律に基づく発注は、全国すべての自治体で毎年報告されています。
たとえば、令和5年度の実績を見ると
(出典:内閣府「障害者就労施設等からの物品等の調達実績報告」令和5年度)
つまり、全国で約400億円規模の仕事が、障害者就労施設やB型事業所に発注されているということです。
宮城県の実績から見る「現実的な仕事」
宮城県の令和5年度報告書には、こんな項目が並びます。
| 発注内容 | 取引先 | 契約形態 | 金額帯 |
|---|---|---|---|
| 庁舎内清掃業務 | 就労継続支援A型事業所 | 委託契約 | 約100万円前後 |
| 県庁印刷物(封筒・パンフレット) | 就労継続支援B型事業所 | 随意契約 | 約30〜80万円 |
| 封入封かん作業(通知書・広報誌) |
|
随意契約 | 約20万円前後 |
| 花苗・観葉植物の納品 | 地域活動支援センター | 物品購入契約 | 約10万円前後 |
成功事業所の共通点
これらの事業所に共通しているのは、次の3点です。
| 成功要因 | 内容 |
|---|---|
| ① 信頼の積み上げ | 1回きりで終わらず、報告・改善を続ける |
| ② 書類整備 | 見積書・報告書・契約書類を正確に揃える |
| ③ 顔の見える関係 | 発注担当者との定期的な連絡・報告を欠かさない |
「うちは規模が小さいから」と思う必要はありません。
むしろ小回りが利くB型事業所こそ、地域の“公共パートナー”としての強みを発揮できます。
次回のブログはコチラ⇒<障害者優先調達推進法とは⑤>これからの優先調達と地域連携の方向性