<障害者優先調達推進法とは⑤>これからの優先調達と地域連携の方向性
こんにちは、行政書士の大場です。
これまでのシリーズでは、障害者優先調達推進法の目的や仕組み、そして調達事例を紹介してきました。
今回は、この制度がこれからどんな方向に発展していくのか「地域連携」「SDGs」「CSR」の視点から見ていきます。
国がめざす方向:「調達」から「共創」へ
「国や自治体が“買う側”になることで、障害者の働く場を地域経済の一部として根づかせる」という考え方です。
たとえば、内閣府の報告では次のような方針が示されています。
つまり、行政だけでなく企業も“買い手”になる時代に入っているのです。
自治体の新しい動き:地元企業とのマッチング
宮城県や仙台市でも、近年は「官民連携型のマッチング」が進んでいます。
これらの取り組みは、単なる契約の仲介ではなく、“地域全体で仕事を回す仕組み”をつくる試みです。
行政+企業+福祉の連携を「地域産業の一部」として再構築していくことが、優先調達の“次のステージ”です。
民間企業の動き:CSR調達と「共働モデル」
今、民間企業の間でも、“社会的価値をともに生み出す調達”=CSR調達の動きが広がっています。
企業が印刷・デザインを担当し、B型事業所が封入・梱包を担う共働モデルもその一例です。
この流れは、「障害者優先調達推進法」との親和性が非常に高く、法制度とCSRを融合させた新しい地域経済モデルとして注目されています。
B型事業所が今からできる3つのこと
この流れを踏まえ、B型事業所が今から取り組むべきは次の3つです。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| ① 自治体・企業への情報発信 | カタログ・SNS・HPなどで実績を“見える化”する |
| ② 契約・請求体制の整備 | 行政・企業どちらからも安心して発注できる書類体制 |
| ③ 連携先の確保 | 地元企業・学校などとの連携による活動拡大 |
制度を“待つ”のではなく、自らが「地域の一員として動く」ことで、新しい仕事の形が自然と生まれます。
次回のブログはコチラ⇒