<利用者さんの親なき後の問題を考える③>制度でできること < 成年後見制度・信託・遺言をわかりやすく>
こんにちは、行政書士の大場です。
前回は、親御さんが抱える不安の中身を「お金」「住まい」「兄弟」「支援」「本人の生活力」という5つの視点から整理しました。
前回のブログはコチラ⇒<利用者さんの親なき後の問題を考える②>親の不安ベスト5 <~行政書士が解説~>
では、それらの不安を制度でどう支えることができるのか。
今回は「法的な備え」の代表的な3つの制度を、やさしく整理してみます。
1. 成年後見制度
「お金の管理が心配」「契約が難しい」そんなときに役立つのが成年後見制度です。
成年後見制度には2つのタイプがあります。
後見人は、預貯金の管理、施設との契約、福祉サービス利用の手続きなどを本人の代わりに行います。
2. 家族信託(民事信託)
近年増えているのが家族信託(民事信託)という方法です。
「後見人に頼むよりも、家族の中で柔軟に管理したい」という方に向いています。
という仕組みです。
生きているうちから機能するのが特徴です。
信頼できる家族に任せられる一方、契約内容を慎重に作らないとトラブルになることもあるため、専門家による契約書作成や公証が重要になります。
3. 遺言書
「兄弟にに迷惑をかけたくない」「この子が安心して暮らせるように財産を残したい」そんな気持ちを形にできるのが遺言書です。
特に“親なき後”に備える遺言では、次のような工夫が大切です。
制度の活用
成年後見、家族信託、遺言、どれも大切ですが、目的は「安心して暮らしを続けること」です。
制度そのものが目的ではありません。
大事なのは、「どんな暮らしを望むのか」を家族で話し合い、その想いを実現するために、制度を道具として選ぶことが大切になります。
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