<利用者さんの親なき後の問題を考える①>「親なき後の問題」って何? <~行政書士が解説~>
こんにちは,行政書士の大場です。
最近、よく耳にする言葉があります。
それが「親なき後の問題」です。
けれど、この言葉、聞いたことはあっても、「具体的に何を指すのか」は意外と知らない方が多いです。
“親なき後”とは、誰の不安のことか
親なき後とは・・・
障害のある子どもを支えてきた親が、高齢や病気、死去によって支援できなくなった後、その子がどう暮らしていくのか、という問題です。
たとえば、こんな声をよく聞きます。
「自分がいなくなった後、この子はどうやって生活していくんだろう」,「施設に入れるのも順番待ちだし、頼れる親戚もいない」
親御さんの心配は尽きません。
そして実は、本人にとっても「自分の生活をどう守るか」はとても大きなテーマです。
現場で起きていること
支援現場では、「親が元気なうちは安定していたけれど、亡くなってから生活が一変した」というケースも少なくありません。
金銭管理ができず滞納が続いたり、住まいを失ったり,制度や支援につながらないまま孤立してしまうこともあります。
つまり「親なき後問題」は、“親の不安”と“本人の生活”の両面に関わる問題なのです。
障害福祉サービスだけでは解決できない理由
この問題は、単に障害福祉サービスの利用だけで完結する話ではありません。
財産や住まいの名義、後見制度の利用、遺言や信託といった法的な備えが必要になることも多いからです。
ここに、行政書士などの法務専門家が関わる意味があります。
「誰が」「どのように」「どんな制度で」支えるのかを、家族・支援者・専門家で一緒に考えることが大切です。
“親なき後”を考えるということは“親なき後”に「親がいなくなった後にどうするか」だけでなく、「親が元気なうちに、どう備えるか」という前向きなテーマでもあります。
次回のブログはコチラ⇒<利用者さんの親なき後の問題を考える②>親の不安ベスト5 <~行政書士が解説~>