<就労継続支援B型事業所(再構築・発展編)①>分場・サテライトとは何か?<~行政書士が解説~>
こんにちは。行政書士の大場です。
最近、B型事業所の相談のなかで、「事業が軌道に乗ってきたので、新しい拠点を検討している」というお話を伺う機会があります。
事業が安定すると、利用者の受け入れ拡大や地域展開を視野に入れた「次のステップ」が見えてきます。
その際に検討されるのが、「分場(ぶんじょう)」と「サテライト」という仕組みです。
どちらも「本体事業所とは別の場所でサービスを提供する」ための制度ですが、目的や位置づけ、手続きには明確な違いがあります。
今回は、宮城県での制度運用と実際の届出手続きを行政書士の視点で整理してみます。
今回は、宮城県での制度運用と実際の届出手続きを行政書士の視点で整理してみます。
どんなときに検討するの?
① 利用者が増えたとき
→ 本体が手狭になったため、近隣に作業場所を増やしたい
→ 職員体制を維持したまま受け入れ枠を広げたい
→ 職員体制を維持したまま受け入れ枠を広げたい
→ ⇒ 分場(ぶんじょう) の検討
② 遠方からの通所が難しいとき
→ 山間地・離島・交通不便地域の利用者支援を継続したい
→ 自宅近くで短時間の通所支援を行いたい
→ 自宅近くで短時間の通所支援を行いたい
→ ⇒ サテライト の検討
分場とサテライトの比較
| 区分 | 分場(ぶんじょう) | サテライト |
|---|---|---|
| 定義 | 本体と同一法人が運営する“別の作業拠点” | 通所が難しい利用者のための“小規模な支援拠点” |
| 目的 | 利用定員の拡大・作業スペースの確保 | 地域密着型の支援・短時間通所 |
| 定員 | 本体と合算(目安20名増まで) | 原則5名以下(自治体判断) |
| 職員配置 | 常勤職員を含む体制が必要 | 最低限の職員配置で可(本体職員との兼務可) |
| 指定関係 | 新規指定は不要(届出制) | 同上(届出+運営規程変更) |
| 実地指導 | 本体と一体で実施 | 本体と同時に実施 |
< 行政書士の視点>
分場=事業拡大、サテライト=支援の多様化、目的の違いを整理しておくと、届出・体制づくりがスムーズになります。
宮城県での手続きの流れ
宮城県では、分場・サテライト開設は「指定変更」ではなく、届出制(変更届・運営規程変更)として扱われます。
| 段階 | 手続き内容 | 提出時期・注意点 |
|---|---|---|
| ① 事前協議 | 建物・支援体制・用途を県に確認 | 開設の1〜2か月前が理想 |
| ② 届出書類の準備 | 分場設置届出書、運営規程変更届、体制届 | 変更予定日の2週間前までに提出 |
| ③ 添付書類 | 図面、設備備品一覧、職員配置表、体制状況表など | 宮城県指定様式を使用 |
| ④ 関係法令の確認 | 都市計画法・建築基準法・消防法 | 用途変更・避難経路・火気設備を確認 |
| ⑤ 開設後 | 本体との一体運営を徹底 | 実地指導では分場も対象 |
<参考>
宮城県障害福祉課
障害福祉サービス事業指定・届出様式(公式サイト)
書類整備のポイント
| 区分 | 主な書類 | 留意点 |
|---|---|---|
| 基本届出 | 分場設置届出書・運営規程変更届 | 新しい拠点の住所・支援内容を明記 |
| 体制関係 | 体制届・職員配置表 | 本体と分場の職員構成の整合を取る |
| 図面類 | 平面図・配置図・避難経路図 | 建物用途と消防法に適合させる |
| その他 | 設備一覧表・誓約書 | 宮城県の指定フォーマットに合わせる |
注意点
・ 建物用途の確認不足
→ 住居・事務所を「作業場」として使う場合は、都市計画法43条・建築基準法第87条の確認が必要な場合あり
→ 住居・事務所を「作業場」として使う場合は、都市計画法43条・建築基準法第87条の確認が必要な場合あり
・職員体制の届出漏れ
→ 分場配置分の支援員・職業指導員を追加する体制届が必要です。
→ 分場配置分の支援員・職業指導員を追加する体制届が必要です。
・支援記録の分離管理
→ 分場で独自管理してしまうと、実地指導で「一体運営ではない」と判断されるリスクがあります。
→ 分場で独自管理してしまうと、実地指導で「一体運営ではない」と判断されるリスクがあります。
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2025年11月03日 19:40