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<就労継続支援B型事業所(開設後手続き編)⑩>「工賃」はどうやって決まるの? 

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こんにちは、行政書士の大場です。

B型事業所の現場を見ていると、同じように見える作業でも「工賃の差」が意外と大きいことに気づきます。

ある事業所では月1万円、別の事業所では3万円を超えていることもあります。

なぜ、こんな違いが生まれるのでしょうか。
実は「工賃の決まり方」には、明確なルールと“設計”があります。

工賃の原点は「生産活動収入」

工賃のもとになるのは、事業所が得た生産活動収入です。

たとえば・・・
・下請け作業(袋詰め・検品など)
・自主製品の販売(お菓子・雑貨・印刷物など)
・企業や自治体との委託業務

これらで得た売上から材料費や経費を引き、残った部分を利用者へ分配します。
つまり工賃とは、「売上の結果」ではなく「経営判断の結果」なんです。

工賃を決める3つの要素

工賃の額は、次の3つのバランスで決まります。
1,生産活動の売上(収入)
 → 工賃の原資、何の仕事で収入を得るか。
2,経費構造(材料費など)
 → 工賃にまわせる金額をどれだけ確保できるか。
3,分配ルール(支給基準)
 → 利用者ごとの支給額をどう決めるか。
この3つのバランス次第で、同じ売上でも「工賃の出し方」が大きく変わります。

平均工賃の全国水準

厚生労働省の調査によると、令和5年度の就労継続支援B型の平均工賃は月額約18,000円前後です。
ただし、地域や業種によって差が大きく、製造やデザイン、印刷など付加価値の高い業種では3万円を超える事業所もあります。
「平均額を追うよりも、自事業所のモデルを作ること」これが工賃アップの第一歩です。

「売上=工賃」ではない

よく誤解されるのが、「売上が上がれば工賃も上がる」という考え方です。
実際には、次のような要因で工賃額は変わります。
・材料費や外注費が多ければ、工賃原資は減る
・設備投資や家賃負担が増えると、分配に回せない
・作業量や参加日数の違いで、支給額がばらつく

つまり、工賃は経営の“結果”ではなく、“設計”の問題です。
どんなルールで分けるのかを明確にしておくことで、公平で納得感のある仕組みが生まれます。


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2025年11月10日 03:12