<新規開所の流れ>就労継続支援B型事業所(法人設立編)⑪>法人印鑑の作り方
こんにちは、行政書士の大場です。
法人を設立する際には、定款や登記と並んで欠かせないのが「法人印鑑」の準備です。
法人実印・銀行印・角印をどのように作るかは、その後の登記、銀行口座開設、契約事務の基盤になります。
今回は、B型事業所開所にもそのまま使える法人印鑑の種類と最適な刻印内容の基本 を、わかりやすく整理していきます。
1. 法人印鑑には“3種類”ある
法人印鑑は、以下の3つが基本セットです。
① 法人実印(代表者印)
法務局に登録する最重要の印鑑です。
② 銀行印
法人名義の銀行口座の登録印です。
③ 角印(社印)
領収書・請求書・見積書に押す印です。
2. 法人実印(代表者印)の刻印内容
法人実印は、登記に使われる「法的な印鑑」です。
✔ 刻印内容の基本形
会社名(正式名称)+代表者印
たとえば
・株式会社あおば
→ 「株式会社あおば 代表取締役之印」
・合同会社みちのく
→ 「合同会社みちのく 代表社員之印」
・一般社団法人ひかり
→ 「一般社団法人ひかり 代表理事之印」
✔ 法人ごとの正しい表記(重要)
| 法人種類 | 正しい刻印表記の例 |
|---|---|
| 株式会社 | 代表取締役之印 |
| 合同会社 | 代表社員之印 |
| 一般社団法人 | 代表理事之印 |
| 一般財団法人 | 代表理事之印 |
※「之印(のいん)」は正式な印鑑の表記。
✔ 実務で最も多い失敗
3. 銀行印の最適な刻印内容
銀行印は金融機関で使われるため、読みやすく、簡潔であることが重要です。
✔ 最適な刻印内容
法人名のみ
例:
・株式会社あおば
→ 「株式会社あおば」
・一般社団法人あおば
→ 「一般社団法人あおば」
余計な情報(代表取締役、住所など)は不要です。
✔ 注意点
・実印と銀行印はサイズを変える(同一印と誤認されないように)
・ゴム印は不可(銀行では受け付けない)
4. 角印(社印)の刻印内容の
角印は、事業で最も使用します。
✔ 最適な刻印内容
法人名+「之印」または「印」
例:
5. 実務で最適な“書体”の選び方
法人印鑑には3種類の書体があります。
✔ 篆書(てんしょ)体
もっとも一般的で、変造されにくい最も推奨する書体
✔ 印相体
重厚で力強い印象ただし読みづらい
✔ 古印体
読みやすいがセキュリティは低め
法人実印は「篆書体」が最適
銀行や法務局でのトラブルが少ないため、実務では篆書体が最も安定しています。
6. B型事業所開所の実務での印鑑の使い分け
B型事業所では、印鑑を次のように使い分けます。
✔【法人実印】
✔【銀行印】
・法人口座の開設
・請求(国保連)口座の登録
・自動振替の登録
✔【角印】
・重要事項説明書
・利用契約書
・請求書・領収書
・事業所内文書
次回のブログはコチラ⇒<新規開所の流れ>就労継続支援B型事業所(法人設立編)⑫>法人登記後に必要な“開業準備手続き”とは