<新規開所の流れ>就労継続支援B型事業所(法人設立編)⑤>B型事業所の開所に向いている法人格はどれ?
こんにちは、行政書士の大場です。
B型事業所の開所の相談で必ず聞かれるのが、この質問です。
「B型事業所を開所するなら、どの法人格が一番いいですか?」
結論からいいます。
最適は “株式会社” か “一般社団法人” の2択
仙台市でB型事業所を開所する場合、おすすめできるのは この2つ です。
一方で、以下の2つは慎重に判断する必要があります。
今回は、それぞれの特徴・メリット・デメリットを仙台市の審査・運営・現場実務に合わせて丁寧に比較します。
株式会社:最もバランスが良く、実務上の最適解
✔ 審査がスムーズ
✔ 金融機関・家主の信用が高い
→ 生産活動の取引先にも説明しやすい
✔ 代表者の意思決定が早い
理事会・評議員会が不要で、スピード感のある経営が可能
✔ 税務・会計がシンプル
法人税課税だが、会計処理がシンプルで管理しやすい。
一般社団法人:理念型の法人を作りたい場合に最適
株式会社と並んでB型事業所の開所で増えているのが 一般社団法人 です。
✔ 「非営利性」を見せられる
✔ 社員(構成員)が2名いれば設立可能
人数要件はゆるく、設立も早い。
✔ 株主がいないため乗っ取りリスクが低い
議決権は「社員」と呼ばれる構成員なので、経営権の安定性が高い。
✔ デメリット:税務は株式会社より複雑
ここは税理士のサポートが必要です。
合同会社:メリットは少なめ
信用力が株式会社より低い
登記の目的欄が軽く見られがち
合同会社は「副業法人」「小規模法人」のイメージが強い。
開所後の採用にも影響が出る場合があります。
NPO法人:おすすめしない(手続きが重すぎる)
もっとも誤解が多いのが NPO法人 です。
「福祉だからNPOがいいですよね?」と相談されることがありますが・・・
仙台市でB型事業所を開所する法人としてほぼ“おすすめしません”。
理由は明確です。
設立までに4〜6ヶ月かかる
・定款作成
・事業計画
・住民説明
・公告
・認証
・設立登記
株式会社(2週間)と比べ、圧倒的に遅い。
行政監督が多く、事務負担が大きい
金融機関の融資が受けづらい
銀行がもっとも慎重になる法人格
解散時の財産が国や自治体に帰属する
「自分の人生の事業」が残せない
次回のブログはコチラ⇒<新規開所の流れ>就労継続支援B型事業所(法人設立編)⑥>法人設立の流れ<仙台市版>