<就労継続支援B型事業所 基本報酬の考え方④>報酬区分が違うだけでどれだけ違うの?
こんにちは、行政書士の大場です。
B型事業所の経営を考えるうえで、とくに気になるのが基本報酬です。
その中でも「区分が違うだけで、基本報酬はいったいどれほど変わるのか?」が気になるかと思います。
平均工賃に応じて基本報酬の単位数が変わる仕組みは、令和6年度改定でさらに重要性が増しました。
今回は、実際の算定基準(令和6年度)を使いながら、「区分の違いによる基本報酬の差」 をもっとも一般的な条件で具体的に整理していきます。
対象条件
今回の計算条件はこちらです。
・人員配置:7.5:1
・定員:20人以下
・基本報酬:平均工賃月額に連動する“工賃連動型”
・使用する数値:令和6年度の算定基準
平均工賃月額ごとの基本報酬(単位数)
算定基準から該当部分を抜粋すると、7.5:1/20人以下の単位数は以下の通りです。
| 平均工賃月額 | 単位数/日 |
|---|---|
| 45,000円以上 | 748単位 |
| 35,000〜45,000円未満 | 716単位 |
| 30,000〜35,000円未満 | 669単位 |
| 25,000〜30,000円未満 | 649単位 |
| 20,000〜25,000円未満 | 637単位 |
| 15,000〜20,000円未満 | 614単位 |
| 10,000〜15,000円未満 | 584単位 |
| 10,000円未満 | 537単位 |
実際にどれくらい差が出るのか?
では、最も分かりやすい比較をしてみます。
● 比較①
平均工賃:45,000円以上(748単位)
vs
平均工賃:20,000〜25,000円(637単位)
vs
平均工賃:20,000〜25,000円(637単位)
差:111単位/日
これを
・利用者20人
・月20日稼働
で計算すると……111単位 × 20人 × 20日= 44,400単位/月
で計算すると……111単位 × 20人 × 20日= 44,400単位/月
単位10円とすると→ 444,000円/月の差→ 年間 5,328,000円(約533万円)の差
● 比較②
平均工賃:30,000〜35,000円(669単位)
vs
平均工賃:15,000〜20,000円(614単位)
vs
平均工賃:15,000〜20,000円(614単位)
差:55単位/日
→ 55 × 20人 × 20日= 22,000単位/月(22万円)→ 年間 約264万円の差
結論:区分(平均工賃)の違いは、加算よりはるかに大きい
多くの加算は月額数万円ですが、区分の違いは月20万〜40万円、年間300万〜500万円以上の差 を生みます。
つまり、
✔ 区分アップは“加算10個分の威力”
✔ 同じ人員配置・同じ定員でも平均工賃次第で大きく変わる
✔ 生産活動の質と量が、経営に直結する
ということです。
次回のブログはコチラ⇒<就労継続支援B型事業所 基本報酬の考え方⑤>工賃アップのための施策とは
2025年11月13日 15:32