B型事業所のよくある相談(制度手続き編)⑥<指定更新の手続き・期限が分からない>

こんにちは。行政書士の大場です。
このブログシリーズでは、就労継続支援B型事業所の「よくある相談」を、できるだけ分かりやすくお話していきます。
今回のテーマはこれ
「指定更新って、いつやるの? 5年? 6年? どっちが本当?」
「県からも市からも案内が来ないし、いつの間にか期限が近づいてた!」
まず、指定更新とは?
ざっくり言うと、「事業所としての“許可証”を延長する手続き」です。
新規指定を受けた時点で「有効期間」が決まっており、その期限が来る前に“もう続けていいですか?”と申請します。
令和6年度の法改正で「6年ごと」に変更
以前は5年ごとに更新でしたが、令和6年(2024年)4月の法改正で、全国一律で6年に延長されました。
この改正は、厚生労働省が発出した次の法令によるものです。
〔根拠条文〕
障害者総合支援法施行規則(令和6年厚生労働省令第19号)改正
(令和6年4月12日公布・同日施行)【改正後 第26条】
指定障害福祉サービス等の有効期間は、6年とする。【第27条】
事業者は、有効期間が満了する日の2か月前までに、更新申請を行わなければならない。
厚労省発表資料
障害福祉サービス等報酬改定・制度改正(令和6年度)
障害福祉サービス等報酬改定・制度改正(令和6年度)
ただし!立ち上げ時期によって違います
この「6年ルール」はすべての事業所に即時適用されるわけではなく、改正前に立ち上げた事業所と、改正後に立ち上げた事業所とで“最初の更新時期”が異なります。
立ち上げ時期 | 更新までの年数 | 備考 |
---|---|---|
令和6年4月1日以降に指定を受けた事業所 | 6年有効 | 改正後の新ルール |
令和6年3月31日以前に指定を受けた事業所 | 次の更新で6年に切り替え | 改正前指定でも、次回更新時に自動的に6年へ |
たとえば、
令和2年4月に指定を受けた事業所は、最初の更新が令和7年3月(5年)で、その次から6年サイクルに切り替わります。
手続きの流れ(宮城県・仙台市共通)
項目 | 内容 |
---|---|
有効期間 | 6年(旧制度は5年) |
更新申請受付開始 | 満了の6か月前から |
申請期限 | 満了の2か月前まで(できれば1か月前までに) |
提出先 | 宮城県(保健福祉事務所)または仙台市(障害者支援課) |
提出書類 | 指定(更新)申請書・運営規程・職員配置表・工賃向上計画書・BCP等 |
よくある質問①
「宮城県の手引きに“更新”が書いてないけど?」・・・はい、その通りです。
宮城県の手引きは、提出書類の案内が中心で、「有効期間が6年」「2か月前までに提出」といった説明は省略されています。
宮城県の手引きは、提出書類の案内が中心で、「有効期間が6年」「2か月前までに提出」といった説明は省略されています。
でもこれは、法令で全国統一されているので、県や市が独自に変えることはできません。
(=手引きに書かれていなくても、6年ルールが正式に適用されます)
(=手引きに書かれていなくても、6年ルールが正式に適用されます)
よくある質問②
「5年って聞いたんだけど、うちはどっち?」
令和6年3月以前に指定を受けた場合は、 次の更新までは5年、その次から6年です。
令和6年4月以降に新規指定を受けた場合は、最初から6年有効です。
つまり、
「古い指定だから5年のまま」ではなく、「次の更新から6年に自動で切り替わる」わけです。
よくある質問③
「更新のお知らせって来ますか?」……残念ながら、基本は来ません
行政側から「そろそろ更新ですよ」という通知はなく、自分で管理するのが原則です。
行政側から「そろそろ更新ですよ」という通知はなく、自分で管理するのが原則です。
大場のひとこと
更新手続きって、正直ちょっと手間です。でも、「これまで6年間どうやってきたか」を整理する良い機会でもあります。
「支援内容がどう変わったか」
「利用者さんの工賃や活動の幅がどう広がったか」
そうした積み重ねを“数字と書類で見える化”するのが更新手続きです。
書きながら「うち、けっこう頑張ってるな」と感じることもあります。
書きながら「うち、けっこう頑張ってるな」と感じることもあります。
次回のブログはコチラ⇒B型事業所のよくある悩み(制度手続き編)⑦<兼業(多機能型・併設型)の扱いが難しい>
2025年10月11日 13:52