就労継続支援B型事業所の「指定申請から運営まで」の流れ

第1ステップ|市町村に“ニーズ相談”
まず最初にすべきことは、「この地域で必要とされているか」の確認です。
「利用者が通える距離か」
「同じようなサービスがすでにあるか」
「どんな作業や支援を求められているか」
ここで「必要性がある」と確認を得てから次の段階へ進むとスムーズです。
法人設立前でもOK。
「事業をやりたい」と伝える段階で、担当者の印象も変わります。
第2ステップ|法人設立(または既存法人の目的変更)
B型事業所は法人格が必須です。
個人事業では指定を受けられません。
設立時に必ず、定款の目的に「障害福祉サービス事業」などを入れておきます。
定款に目的がない → 目的変更登記 → 再手続きという二度手間になるケースが本当に多いです。
第3ステップ|建物・設備の準備と事前協議
図面・写真・レイアウト案をもとに「ここで指定可能か」を確認してもらいます。
工事を始める前に県に相談!
“後から基準に合わなかった”というトラブルを防げます。
第4ステップ|書類の作成と提出準備
提出する書類は20種類以上に及びます。
分類 | 書類名 | 内容 |
---|---|---|
基本書類 | 指定申請書/登記事項証明書/定款 | 法人情報 |
体制関係 | 職員体制表/勤務表/資格証写し | 管理者・サビ管体制 |
運営関係 | 運営規程/工賃規程/事業計画書/収支予算書 | 開所時の運営内容 |
建物関係 | 賃貸契約書/図面/消防関係書類 | 建物の安全性確認 |
添付資料 | 役員名簿/誓約書/写真/利用申込体制説明書 | 信頼性・安全性の確認 |
様式を整え、漏れや重複をなくす。
“開設時の姿”に合わせた整合性チェックが重要です。
第5ステップ|申請書の事前確認 → 提出
宮城県では、いきなり提出せず、まず“事前確認”を行うのが一般的です。
県の担当者に書類一式を見てもらい、不備を修正してから正式提出します。
「補正がない=信頼されている証拠」。
この段階で丁寧にやりとりしておくと、その後の対応がスムーズです。
第6ステップ|実地(現地)調査
内容は
「現地で聞かれそうなこと」を事前にリハーサル
帳票や契約書をファイリングしておくと印象が良くなります。
第7ステップ|指定通知書の交付
すべての審査が終わると、「指定通知書」が交付されます。
ここでようやく、事業所が正式に「指定」を受けたことになります。
でも、まだ終わりではありません。
第8ステップ|指定通知後の手続き(開設準備)
指定通知を受け取ったら、次は「運営開始」と「給付登録」の手続きです。
手続き | 内容 | 提出先 |
---|---|---|
運営開始届 | 「事業を開始しました」という報告 | 県または仙台市 |
給付契約登録 | 利用者居住地の市町村に登録申請 | 市町村 |
国保連請求事務開始届 | 報酬請求のための登録 | 国保連 |
運営規程・工賃規程の最終版 | 実際の内容に合わせて確定版を提出 | 同上 |
職員体制・資格証写し | 開所時点の実員に合わせて修正 | 同上 |
ここまで完了して、はじめて報酬請求が可能になります。
指定=ゴールではなく、事業スタートの準備段階です。
第9ステップ|開所後の体制維持と届出
運営規程修正・変更届の作成・行政相談対応
第10ステップ|開所後の「監査・実地指導」
開設して1〜2年以内には、「初回の実地指導(監査)」があります。
※定期実地指導(監査)は5年に1度または臨時に実地指導(監査)も入ることがあります。
これは“指導”であって“罰則”ではなく、運営状況の確認です。
チェックされるポイントは
指定申請はゴールではなく、運営のスタート その後の届出・記録・監査対応まで含めて、事業は続きます。