変更届が必要なケース(休止・廃止の届出)⑥< しばらくお休み、も「届出」です!>

こんにちは、行政書士の大場です。
就労継続支援B型事業所を続けていると、時には、こんな瞬間が訪れることがあります。
「人が足りなくて、一時的にお休みしたい」
「利用者が減ってしまい、少し立て直しの時間がほしい」
「次の事業展開に向けて、一度リセットしたい」
そんなときに必要になるのが、「休止届」や「廃止届」です。
「お休みします」も、正式な手続きが必要です
障害福祉サービスの指定は、“始めるとき”だけでなく、“止めるとき”にもルールがあります。
行政の立場から見ると、「利用者さんがいなくなった=運営停止」ではなく、「法人が意図的にサービスを止める=届出対象」なんですね。
つまり、「一時休止」でも、正式な届出が必要なんです。
届出が必要なケース
区分 | 状況 | 必要な手続き | 提出期限 |
---|---|---|---|
一時休止 | 人員不足・建物修繕・経営見直しなどで一時的に運営を止める | 休止届+理由書+利用者対応計画書 | 原則30日前まで |
廃止 | 完全に事業を終了する(今後再開しない) | 廃止届+利用者への説明記録+契約解除書 | 原則30日前まで |
再開 | 休止していた事業を再開する | 再開届+職員体制・運営規程など | 再開の10日前まで |
宮城県・仙台市どちらも、「30日前まで」が原則です。
「休止」と「廃止」のちがい
項目 | 休止 | 廃止 |
---|---|---|
期間 | 一時的(数か月〜1年以内) | 永続的(再開の予定なし) |
法人指定 | 継続(停止扱い) | 取消(再開には再指定申請が必要) |
書類量 | 比較的少ない | 契約解除・報告・関係機関調整あり |
再開時 | 届出でOK | 再申請(審査・実地調査あり) |
「また再開するかも…」と思うなら、“休止届”を選ぶ方が安全です。
届出時に必要な書類(宮城県・仙台市共通)
書類名 | 内容 |
---|---|
休止(廃止)届 | 様式第8号など(自治体により異なる) |
理由書 | なぜ休止・廃止するのか簡潔に記載 |
利用者対応計画書 | 契約解除・他事業所紹介・引継ぎの記録 |
給付契約整理報告書 | 市町村・国保連への整理手続き報告 |
職員処遇記録 | 雇用調整・退職対応などを整理 |
工賃支払報告 | 支払済・未払いの整理状況(任意) |
よくある質問
Q. 「一時的に利用者がゼロになった」場合も届出必要?
→ 原則必要です。「事業活動を止める」=休止扱いになります。
Q. 「代表が体調を崩したので、数か月お休みしたい」
→ その期間も休止届を出しておくと安心です。再開届で戻せます。
Q. 「事業を畳むけど、法人はそのまま」
→ OKです。廃止届は“事業の指定”に関する届出なので、法人自体の登記とは別。
行政書士からのひとこと
“休む”とか“やめる”というと、ネガティブに聞こえますが、障害福祉事業においては**「整理整頓」**のひとつなんです。
・人員を整えるための「休止」
・新しい挑戦に向けた「廃止」
どちらも、きちんと届出を出しておけば、行政との信頼関係を壊さずに次へつなげられます。
大事なのは、「黙って止めない」こと。
・「休止」「廃止」どちらも、原則30日前までに届出。
・利用者対応・契約整理・給付契約報告をセットで行う。
・再開予定があるなら、“休止届”でつないでおくのが安全。
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2025年10月13日 01:05