就労継続支援B型事業所のお金の流れと仕組み⑥<事業所のお金の仕組みを支える制度>

こんにちは、行政書士の大場です。
これまで「入ってくるお金」「出ていくお金」「工賃」について見てきました。
今回はその裏側にある “制度” に注目します。
B型事業所は「好きなように自由にお金を集めて運営している」わけではなく国や自治体が決めた仕組みの上に成り立っています。
だからこそ安心して続けられる一方で、「制度を知っているかどうか」で運営のしやすさに差が出てきます。
1. お金の土台は「障害者総合支援法」
就労継続支援B型事業所は、障害者総合支援法 という法律のルールに沿って運営されています。
①利用者さんは市町村に「サービスを使いたい」と申請
②市町村が「この人には必要」と決定(=支給決定)
③事業所が支援を提供
④国や自治体が、その費用を事業所に支払う
この流れで、利用者さんの自己負担が大きくならないように守られています。
2. 報酬と加算 & 基本点とボーナス点
事業所の収入の中心は「報酬」です。
これには2つの柱があります。
・基本報酬 … 利用者さんが通った日数や時間に応じて支払われる「基本点」
・加算 … 工夫した取り組みに対して上乗せされる「ボーナス点」
加算の例:
・専門職員を配置する → 福祉専門職員配置加算
・工賃アップに力を入れる →目標工賃達成指導員配置加算
・地域と連携する → 地域協働加算
つまり、「来てもらえれば基本点」「工夫すればボーナス点」という仕組み。
ちょっとゲーム感覚に近いですよね。
3. 工賃向上計画 ― 今は必須アイテム
提出しないと報酬を算定できない仕組みになりつつあります。
・これからの目標(どれくらい工賃を上げたいか)
要するに「工賃をもっと上げていこう!」という流れが制度化されたわけです。
4. 制度改正で押さえておきたいポイント
制度は数年ごとに改正されます。最近の流れを簡単にまとめると…
・令和6年度(2024年)報酬改定
→ B型を含む障害福祉サービス全体で単価や加算の見直し
・工賃向上計画の義務化(宮城県では令和6年度から導入)
→ 計画を提出しないと報酬が算定できない仕組みへ
・処遇改善加算のベースアップ → 職員給与を段階的に引き上げ(R6年度2.5%、R7年度2.0%アップ予定)
つまり「利用者の工賃アップ」と「職員の待遇改善」を両輪で強化する方向です。
・報酬と加算で支えられている
・工賃向上計画が必須になりつつある
・制度改正で「利用者も職員も良くしていこう」という方向
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