放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスは、2012年に制度がスタートしたときの利用者数51,678人から、2014年には73,985人になり、2016年7月には139,718人になっており、現在まで利用者数は急速に増えています。

厚生労働省統計情報「障害福祉サービス等の利用状況について」より

保護者の必要性に応じるために、民間事業者が参入したことで放課後等デイサービスの数が増えて、障害のある子どもたちの放課後の居場所が増えました。

しかし、療育内容やプログラムの質に差があるため、療育的な関わりをせずに単なるお預かりになっている放課後等デイサービスもあることが問題視されています。

現在は、厚生労働省が放課後等デイサービスのガイドラインを出すなど、療育の質の向上に向けた取り組みが進んでいます。

放課後等デイサービスは、6歳~18歳までの障害や発達に特性のあるお子さんが、放課後や夏休みなどの長期休暇に利用できる福祉サービスです。

個別療育や集団活動を通して、家と学校以外の居場所やお友だちをつくることができるので「障害児の学童」とも表現されます。

障害のあるお子さんの保護者のニーズに応えるために、全国的に増えています。

対象

親の就労の有無は問わないが、原則として6歳から18歳までの就学児童で、障害手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの手帳を所持する児童。
または、発達の特性について医師の診断書がある児童。
定員10人に対して大人が2~3人体制

預かり時間

平日は下校時から18時まで。
祝日・学校休業日は10~18時まで。

過ごし方

個別支援計画に基づく療育プログラムや学習指導、集団遊び、SSTなど、障害児のためのプログラムの提供などが提供されている。

料金

放課後等デイサービスは障害児給付費の対象となるサービスです。
受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスが受けられます。

放課後等デイサービスの利用料金は自治体ごとに多少の差があり、利用者の負担は1割なので1回あたり750円~950円です。
前年度の所得によりひと月に保護者が負担する額の上限が決められていますので、利用する日数が多くても上限金額以上の負担は発生しません。

運営

NPO法人、社会福祉法人、民間企業が運営。

サービス、支援内容

厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」によって、ひとりひとりの個別支援計画に基づき、以下の活動を組み合わせて支援を行うことが求められている。

自立支援と日常生活の充実のための活動

着替えや掃除、料理など日常生活で必要な能力の養成、ひらがなの書き方や、計算、宿題などの学習に必要な能力の養成、ソーシャルスキルトレーニングや集団でおこなうトレーニングによるコミュニケーションスキルの向上を行っています。
就労を見据えた、PC作業訓練を行っている施設もあります。

創作活動

創作活動や作業活動を提供している施設も多いです。
例えば、粘土による造形、書道、絵を書く、季節に合わせた創作などがあります。

地域交流の機会の提供

障害がある子どもの社会経験や生活経験が豊かになるよう、地域交流を積極的に行っている施設もあります。
土曜日・日曜日を利用して、動物園や工場見学などへの社会化見学を実施する場合もあります。

余暇の提供

障害のある子どもたちの放課後の居場所として、リラックスできる空間を提供。
運動やダンス、楽器を習うなどのプログラムを実施します。

施設のタイプ

利用目的や各施設の特徴に合わせてタイプがあります。
すべての放課後等デイサービスがこのタイプに当てはまるわけではありませんが、大きく分けて3つあります。

習い事型

運動や楽器の演奏、書道や絵画などのプログラムに特化した施設です。
楽器を習う、体操教室に通うような感覚の放課後等デイサービスです。
就労を見据え、PC作業訓練を行う施設もあります。

学童保育型

自由に過ごす時間が比較的多い施設です。
習い事型のように特定のプログラムに特化しておらず、掃除や料理、服の畳み方など、生活に必要な能力を養う時間と、自由に宿題をしたり、遊んだりする時間に分かれている施設が多いです。

療育型

専門的な療育を行っている施設です。
行動面、学習面、コミュニケーション面など様々な角度から個人に合わせた療育を行います。
ソーシャルスキルトレーニングや独自の療育プログラムが組まれていることが多いです。
施設によっては作業療法士など専門資格を保有している人がいる施設もあります。

利用について

利用回数は一律ではなく、受給者証によって一人一人受けられるサービスの量が決められています。
子どもや保護者の状況や環境、利用意向などをふまえて受給者証の申請時に審査が行われ、ひと月に使える日数の上限が受給者証の発行時に決定されます。
その定められた範囲内で、その子に必要なサービスを組み合わせて利用計画が立てられます。

利用手続き

①各放課後等デイサービス事業所へ問い合わせの後、事業所見学・利用相談

②住まいの自治体(市役所・区役所)の福祉窓口にて「受給者証」の申請

③「受給者証」の交付の後、放課後等デイサービス事業所と利用契約を結ぶ

①~③の手続きの後、利用開始

 

 放課後等デイサービスの特徴

「小1の壁」に対応するために民間学童と放課後等デイサービスが増えています。

学童と放課後等デイサービスの特徴を比べたところ、放課後等デイサービスは障害のあるお子さんのための3つの特徴があります。

ひとりひとりに合わせた療育をうけられること
小集団の中で社会性を身につける場所であること

放課後等デイサービスでは、学童・子どもクラブ・民間学童に比べ定員が少ないので、スタッフの目の届く中で過ごす事が出来る。

家族のサポーター『レスパイト』としての役割を担っていること

レスパイトとは、英語で休憩・息抜き・小休止の意味で、乳幼児や障がい児・者、高齢者の介護や世話を一時的に代行し、家族が一時的に介護から解放され休息を取れる様にする支援を指します。

子どもが放課後デイを利用する間に親が、自分の時間を過ごす・家事をする時間を生み出す事が出来るようにする支援を指し、世話をする家族がその時間を利用し、自分のために時間を使うことで、まっすぐ、素直に子どもと向き合い、物事を前向きに捉えられるようになることが “レスパイトケア” の意義です。

「小1の壁」とは?

主に、共働き家庭において、子どもを保育園から小学校に上げる際、直面する社会的な問題を、「小1の壁」といいます。

また、親子の間での生活リズムが変化するタイミングで、保育園では、延長保育があるところも多く、ある程度遅い時間まで子どもを預かってもらえますが、公的な学童保育では通常18時で終わってしまうところも多く、保育園よりも預かり時間が短くなり、子どもは、一人家で過ごすことに…
小学校に入学して急にしっかりするわけではないので、保護者は安全面でも精神面でも心配がつきません。

また、小学生になると、時短勤務制がなくなる企業も多く、子どもの小学校入学を機に働き方の変更を迫られるワーキングマザーの方が多くいるのが現状です。

年間を通して起こる小1の壁

春-入学後、1週間は給食が始まらず、お昼には帰ってきてしまう。
公設の学童保育の中には4月1日から利用できないところがある。
保護者会、引き取り訓練、PTAの活動など、入学式以外でも保護者参加の行事が多い。

夏-学童保育では、昼食がついていないことが多いため、夏休みはお弁当を作らなくてはならない。
定員の問題で“長期休みだけの利用”は出来ない学童保育が多い。

秋-行事が多く、仕事の調整が難しい。
日が短くなり、小学校、学童保育から一人で帰らせるのが心配。

冬-インフルエンザなどの感染症が流行り、学級閉鎖で預け先がない。
年度の変わり目で、新しい習い事、塾などを検討し始めるが時間が取れない。

更に小学生は、幼児を卒業して学童期に移り、思春期へと移行する時期です。
知的能力が飛躍的に発達し、自律的な自我意識を持つ人格が形成されるようになります。
発達過程にいる学童期は、幼児期と同様、周囲にいる大人の存在がとても重要。

小学校低学年の子どもが学校にいる時間は、年間約1,200時間。
これに対し、長期休みなども含め放課後に過ごす時間は、年間約1,600時間になり、子どもが放課後過ごす時間は、学校にいる時間よりも、年間約400時間も多くなります。

かつては、子どもたちは放課後に、家庭や地域社会において、家事や自然体験などを通し、基本的な生活習慣、生活能力、他人に対する思いやりや善意の判断、自立心や自制心、社会的なマナーなどを身につけていました。
しかし、昨今では、核家庭化が進み、共働き世帯の増加により家庭や地域社会といった“学校外”でも子どもの教育機能が低下しています。